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文/折原一也
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薄型テレビにBDレコーダーを内蔵し、一台で録画環境を完結させる − AQUOS DXシリーズが打ち出した「現代版テレビデオ」とも言えるこの録画スタイルは多くのユーザーに受け入れられ、DXシリーズは、液晶テレビAQUOSのなかでも人気シリーズの一つになっているという。

だが、テレビの録画機能を単純に録画時間だけで選べば、単体のBDレコーダーやHDD内蔵テレビなどの選択肢もある。DXシリーズは、なぜこれらのライバルを押しのけて選ばれるのか。その理由は、手軽に録画ができる高い操作性と、BDというメディアを採用した事に端的に現れた、ユーザー目線に立った製品づくりに集約されている。

BDドライブ
背面にスロットイン型のBDドライブを搭載。もちろんDVDやCDも再生することができる

シャープが録画メディアにBDを採用した理由を考えてみよう。HDDは容量が大きく長時間の録画ができるが、同時に壊れやすいという致命的な問題を抱えており、長期間のアーカイブ用途には不向きだ。さらに、HDDで録画した番組を他のメディアにダビングすることができない製品も多く、できたとしてもそのメディアを再生できる機器が普及していなければ、録画した番組を友人に貸すこともできない。数十年単位の寿命を持ち、今後メディアの主流になることが確実なBDに直接録画すれば、これらのデメリットをすべて解決することができる。

 

またDVDやBDのパッケージソフトを再生するためにプレーヤーを用意すれば、当然ながらそれだけ設置スペースが必要となる。1台で録画もパッケージソフトの再生も行えたらスペースが節約できるし、また統一されたユーザーインターフェースで操作できることから、利便性も大きく向上する。こうした数多くのメリットを備えたDXシリーズが多くの消費者に受け入れられたことは、一ユーザーとしての感覚からも頷ける。

 
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DXシリーズの新モデル、DX2では、同社のAQUOSブルーレイでおなじみの「フルハイビジョン7倍録り」機能を搭載している。HDD内蔵テレビの多くが基本的な録画機能のみに限定しているのに対し、DX2はAQUOSブルーレイで培ったMPEG-4 AVC/H.264 トランスコード技術を導入し、録画機能の充実に積極的に取り組んでいる。

DX2の録画機能では、放送波をそのまま録画するモードのほかに2倍/3倍/5倍/7倍(倍数値はBSデジタル放送基準)の各モードを持ち、最長時間録画の7倍録画では、BD1枚にフルHD映像を約30時間録画することができる。

EPG   EPG予約時
EPG画面で録画したい番組を選ぶだけで予約録画が可能。予約した番組の一覧も同時に表示される(右)のは非常に便利だ

テレビ録画のスタイルは人それぞれだが、画質よりも長時間録画を重視するという方も多いだろう。実際に7倍モードで録画した映像を見てみると、しっかりとHD画質を維持しており、長時間録画が目的ならそのクオリティは十分。1枚で最大50GBというBDの容量を活かす意味でも、テレビに「フルハイビジョン7倍録り」を導入したDX2の取り組みは高く評価できる。

DX2ではさらに、外部入力からBDへかんたんにダビングできる機能も新たに搭載した。VHSやビデオカメラの資産を大量に持っているという方は多いだろうが、これらをBDに移し替える機器としても、DX2は有力な選択肢となる。

検索画面   検索特徴
予約録画時にはキーワードやジャンルなどの特徴で番組を検索することも可能。単体レコーダー顔負けの高機能ぶりを誇る
 
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DX2の録画機能は、「ファミリンク録画セレクト」と新たなGUI「新・モーションガイド」によって、操作性も大きく進化した。

「ファミリンク録画セレクト」は、AQUOSブルーレイなどファミリンク対応のレコーダーを接続しておくと、容量オーバーなどによって内蔵ドライブでの予約録画に失敗しそうな時に、自動的にファミリンク対応レコーダーに振りかえて録画を実行する機能。HDMIの機器コントロール機能「HDMI CEC」を利用して録画予約情報を送信し、機器間で自動的に連携を図るというもので、仕組みはシンプルだが実に効果的だ。録画の失敗を大きく減らす手段として有用であることは間違いない。

さらにDX2の大きな特徴として、新たなGUI「新・モーションガイド」の導入も見逃せない。リモコンの「ホーム」ボタンを押すことで、画面の上部と右側にメニューウィンドウを表示。番組を視聴しながら番組情報をチェックしたり、ディスクの再生リストにアクセスしたり、外部入力を選択したり、ネットによる映像配信にアクセスしたりといった操作を一元的に行うことができる。

ホームボタン   モーション地デジ
リモコンのカーソル右上に新設した「ホーム」ボタンを押すと「新・モーションガイド」が表示される   「新・モーションガイド」では、現在視聴中の番組やコンテンツを左に表示したまま、入力切換や詳細な設定などを行うことができる
 
モーションガイド   モーションIPTV
「新・モーションガイド」の「チャンネル」からCSデジタルを選んだところ。下にチャンネル一覧が表示され、見たいチャンネルに直接アクセスできる   「新・モーションガイド」では放送とネットサービスを並列に扱う。これによりネットサービスへのアクセスのしやすさが格段に高まった

「新・モーションガイド」の、視聴中の番組をそのまま見続けながら、気になる操作をすぐに行えるというメリットは非常に大きい。特に、次ページで紹介するインターネット機能もシームレスに統合したことで、DX2の「新・モーションガイド」はあらゆるメディアにアクセスする“窓”としての役割を担うことになったのだ。