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PR【特別企画】シリーズの相性もバツグン

鳴った瞬間にわかる、音の厚みとスケール感!オーディオテクニカ「FLUAT」に待望のスピーカーケーブル登場

公開日 2022/07/08 06:30 炭山アキラ
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オーディオテクニカには「Audio-Technica Excellence」というシリーズがある。同社にはかけがえのない珠玉のカートリッジ「AT-ART1000」が存在する。スタイラスの直上に顕微鏡サイズのコイルを配し、それを磁気回路へくぐらせて振動させることで究極のダイレクト発電を得るという、同社でなくては開発・量産の叶わないオーディオ界の宝である。Excellenceはその系譜に属する製品群で、世界に誇るトップエンドという位置づけであろう。
 
一方、同社の通常ラインとしてハイエンド・クラスを構成する「FLUAT(フリュエット)」シリーズと名付けられたケーブル群がある。これまではインターコネクトケーブルと電源ケーブルのみの発売だったが、待望久しきスピーカーケーブル「AT-SC700」が発売された。早速概要を紹介しよう。


■端子部圧着もぬかりなし。音にこだわるFLUATの製法



導体は高純度の6N-OFCと最新ハイテク素材のPCUHD、そしてディップ・フォーミングという特殊な製法で作られたHYPER OFCの3種ハイブリッドで、6N-OFCは音の輪郭と高域の伸びを、PCUHDは低域の力感と広大な音場を目指しての採用だが、HYPER OFCはおそらく音の厚みとコクを加える目的であろうと推測する。

導体は4芯スターカッド構造で、絶縁体は架橋PE、介在は綿糸で、紙テープを巻いた上から制振性に優れたエラストマー、摩擦に強いPVCと二重構造のシースが覆い、PETメッシュのスリーブが全体を締めている。

「AT-SC700」の内部構造。導体は4芯スターカッド構造となっている

FLUATで初めて採用された方法論として、被覆にアニール(焼き鈍し)を加えるヒートリリーブ処理が挙げられる。導体についてはこれまでさまざまなアニールが提案されてきたが、被覆にもそれが効くとは私自身、FLUATを体験するまで知らなかった。考えてみれば、導体も被覆も応力が残留して信号の流れを妨げる、という面ではまったく同じだ。

例えば、ここほんの数年ですっかり音の違いが認知された感のあるアースケーブルにしても、既に10年以上前、高音質化の先鞭をつけたのはオーディオテクニカだった。同社の慧眼と技術力には、改めて敬意を表したい。

両端には高品位の金メッキ端子が標準装備される。端子はYラグとバナナプラグを選ぶことができ、製品バリエーションとして両端Yラグの「AT-SC700YY」、バナナプラグ→Yラグの「AT-SC700BY」、Yラグ→バナナプラグの「AT-SC700YB」、そして両端バナナプラグの「AT-SC700BB」の4種をラインナップ。プラグ処理が異なるモデルでも、ケーブル長に応じた価格は共通。3.0m/4.0m/5.0mについては受注生産にて販売を行っている。

Yラグのプラグ部は銅合金削り出しの仕様。バナナプラグについては銅合金の棒からの削り出しとなる

冷感圧接を用いることで接触面積の極大化を達成している

今回の試聴に際して用意されたモデルは両端YラグのAT-SC700YYとなるが、プラグ部は銅合金削り出しでまさに盤石。製品によって音質差が大きくなりがちのバナナも銅合金の棒からの削り出しで、安定性と導通面積の大きさは一流だ。

そして、何より注目せねばならないのは導体と端子の接合で、6方向から3トン以上にも及ぶ力をかけて圧着することにより、接触面積の極大化に成功しているという。われわれケーブル自作派がしばしば行う、普通の圧着では得られない安定性と優れた導通がそこにはある。

次ページ「一聴して音の厚みとスケール感が一気に向上」FLUATのスピーカーケーブルの実力に迫る

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