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ワイヤレス全盛時代における存在意義とは?

いま、あえて有線イヤホン。約1,000円のお手軽機、JVC「HA-FX6」を聴く

2021/12/24 工藤寛顕(だいせんせい)
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■約1,000円のお手軽有線イヤホン、その実力は?

HA-FX6

JVCケンウッドから、低価格な有線イヤホン「HA-FX6」が発売された。本製品は実売税込1,000円前後という安価な製品であり、販売店の棚のフックに掛かってズラッと並んでいるようなラインナップのひとつといえばイメージしやすいかもしれない。イヤホン初心者層の方々には、イヤホンを失くしたり、断線したりしてしまったからとりあえずこの辺りの物を……という感じで選んだことがある人も少なくないだろう。

そんな低価格有線イヤホンも、近年のワイヤレスイヤホンの急速な普及に伴い、そのユーザー数が減ってきているのは間違いない。事実、筆者の周辺だけでも、オーディオに関心のなかった友人や、なんなら親世代までもがワイヤレスイヤホンを使いつつある。

今回はそんな立ち位置にあるカテゴリにおいて新製品が登場したということで、改めて真正面からその実力をチェックしてみるとともに、ワイヤレス全盛の現代においてこうした有線イヤホンの存在意義とは何か? ということを改めて考えていきたい。

■軽さや装着感の良さも魅力

まずは製品の特徴を見ていこう。

わずか3.3gというコンパクトな筺体は極めて軽い。昨今流行の完全ワイヤレスイヤホンでも軽量化が進んでいるが、これほどの軽さは流石になかなかお目にかかれない数字だ。耳への負担は少しでも少ないほうが良いという人にとっては、これだけでも重要な決め手となりうるかもしれない。

装着してみたところ、数字の印象以上に軽く感じられ、着けているストレスは全く感じられない。言い方は悪いかもしれないが、安価なイヤホンって確かにこれぐらい軽かったな、ということを思い出させてくれるような懐かしさすら感じる軽さで、「昔使っていたあのイヤホン」の後継機種的なポジショニングを意識させてくれる。つるっとしたシンプルなデザインで耳への収まりも良く、付属のイヤーピースもXS/S/Mという小さめな3サイズで、耳の小さな人や女性にもしっかりフィットしてくれるだろう。

本体は耳への収まりも良い

また、耳への収まりが良いということで、寝転びながらでも快適に使えるのも魅力のひとつ。家で過ごす時間が長い昨今、ソファやベッドでゴロゴロしながらイヤホンを着けてスマホを触ってばかりいるのは筆者だけではないはず(と思いたい)。ワイヤレスだと耳から出っ張るし、有線イヤホンは断線が怖い……という場合でも、HA-FX6のような価格帯であれば多少は気兼ねなく使えるのではないだろうか。

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