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【特別企画】Space Tuneで部屋に合わせてチューニング

“いい音”とライフスタイルの調和を完璧に体現。テクニクスの一体型スピーカー「SC-C50」レビュー

公開日 2019/03/20 06:00 生形三郎
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“OTTAVA S”「SC-C50」は、Technicsのラインナップ中で最もコンパクトなワイヤレススピーカーだ。スマートフォンから操作を行うスタイルで、Spotifyなどの音楽ストリーミングからハイレゾ音源までを再生可能。さらには部屋中どこでも良い音を楽しめる広がり豊かな音響設計や、設置場所に合わせてサウンドを最適化する「Space Tune」の搭載など、現代のライフスタイルに求められる機能を1台でカバーしてくれる。

“OTTAVA S”「SC-C50」¥85,000(税抜)

前回のインタビュー編記事では、テクニクス秘伝の技術が注入されたそのこだわりを開発者に伺ったが、後編では、実際にSC-C50を聴いてサウンドや使い勝手をレポートする。


強靱な低音と美しい中高音で多彩な音楽ジャンルを心地良く鳴らす

様々なソースを再生できるSC-C50だが、音質のポテンシャルを知るためにはハイレゾ音源で確認するのがいいだろう。音楽ファイルはWi-Fi/有線LANによるネットワーク経由でも再生できるが、まずは最も手軽な再生方法としてUSBメモリー再生を用いた。USBメモリーを背面のUSB端子に挿して、本体上部の再生ボタンを押すだけで、すぐさま再生が開始された。

背面のUSB端子にUSBメモリーを挿せば、保存したハイレゾ音源を手軽に再生できる

音が出た瞬間に驚かされるのは、馬力のある力強い低音の再現力だ。より豊かな低域を得るために前後の動きを大きく設計されたロングストローク・ウーファーが、十分なパワーで駆動され空気を震わせる。コンパクトなボディから、低音のエネルギーが聴き手の身体へと存分に伝わってくる。

ビートの効いたエレクトロポップスを再生すると、キックドラムが生き生きとした躍動感で弾み、気分が高揚させられる。ロックでも、バスドラムやエレクトリックベースがしっかりとした厚みで再現される。ジャズトリオの再生でも、ウッドベースにSC-C50のサイズを忘れるような存在感があり、音楽を牽引する快活なグルーヴが生み出される。

同時に気づかされるのが、テクニクス製品に共通する美しくたおやかな中高音の表現だ。しなやかで柔らかみのある、瑞々しい質感の音が楽しめるのである。声や生楽器はもちろん、歪ませたディストーションギターも耳障りにならず音色が美しい。これは低音域の充実も大きく影響しているのだろう。つまり、質感の良い中高音に加えて確かな低音の支えがあるからこそ、重心の低い理想のプロポーションが形成されるので、心地よい音が実現できるのだ。

専用ボードの上に設置したSC-C50

ディテールの再現力も特筆すべきもの。繊細な表現が肝となるクラシックでも演奏の明瞭度が高く、ピアニストの運指や弦楽器の弓の動かし方など、細部まで表現してくれる。そのため、単なる音色表現の美しさにとどまらず、音楽の内容までが聴き手に届いてくる。

今回の試聴では、期間限定でキャンペーンに応募した購入者全員にプレゼントされる専用ボードも試したが、これは極めて有効なアイテムだ。SC-C50は低音の馬力が想像以上で、その実力を最大限発揮させるためにも設置面の安定は重要だ。このボードがあるとないとでは、スピーカーから伝わるエネルギー量が別物だ。デザインもサイズもジャストマッチなのもいい。


部屋中どこからでもバランスの良い音が楽しめる

本機のこだわりポイントである、音の広がりも秀逸だ。試しに本機をローテーブルに設置して部屋の様々な位置から音を確認してみたが、後ろに回り込まない限りは、どこから聴いても音楽のバランスが崩れない。この音の広がりを実現するのが、本機のユニークなスピーカー設計だ。

次ページどこからでも音の広がりを味わえる独自のスピーカー設計とは?

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