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音像が鮮明に立ち、目の前に迫るような臨場感

定番イヤホンがワイヤレス化、B&O PLAY「EARSET」レビュー。音楽のエネルギーを引き出すサウンド

公開日 2018/07/27 08:00 山本 敦
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今から約2年前、ブランド初のBluetoothイヤホン「Beoplay H5」を発売して以来、B&O PLAYは完全ワイヤレスイヤホン「Beoplay E8」を含むワイヤレスオーディオのラインナップを積極的に広げてきた。今回発売されたモデルは、Bang & Olufsenから2000年に発売された銘機「Earphones A8」がルーツのワイヤレスイヤホン「EARSET」だ。

独特のメカニカルアジャスト機構を備えるイヤーハンガーが特徴的なイヤホンだが、Bang & Olufsenのスピーカーシステムから派生したそのデザインスケッチは、1990年代にはもう下地が完成していた。やがて2000年にBang & OlufsenからEarphonesとして商品化され、そのクラシックモデルをベースに、3ボタン・マイクコントローラーを追加した「EARSET 3i」にまで進化した。

現在も多くの音楽ファンに愛される定番ロングセラーを土台に、最先端のワイヤレスオーディオ技術を組み込んだEARSETは、高品位なサウンドと本体のサイズ感がほぼ有線モデルと変わらないままワイヤレス化に成功している。

「Earset」

Bang & Olufsenのネットワークオーディオシステム「BeoSound 5」や、B&O PLAYから発売された液晶テレビ「BeoPlay V1」も手がけたデンマークのプロダクトデザイナー、Anders Hermansen氏をEARSET 3iに引き続き採用した。カラバリはグラファイトブラウン/ホワイト/ブラックの3色。いずれも大人の雰囲気と高級感を併せ持つ落ち着いた色合いが特徴的だ。

軽く堅牢な本体は複数のマテリアルによって構成されている。14.2mmの大口径ダイナミック型ドライバーを搭載するイヤホンのハウジングと本体のシャーシには、強化ポリマー樹脂を採用。EARSET 3iと同じくイヤホンのハウジングは半密閉型としているので、クリアで伸びのある音が楽しめる。リスニング中は周囲の環境音にも自然と注意が向けられるので、アウトドアリスニングにも安心して使える。

イヤーハンガーは芯になるメインフレームの素材に、軽くて丈夫なアルミニウムを選んだ。耳の周りに触れるアーチ状のハンガーは、表面をソフトタッチのラバーで覆っているので、長時間リスニングを続けても心地良い装着感が変わらない。またイヤーハンガーが伸縮・回転するので、恐らく誰の耳にも満足するフィット感を与えるだろう。

独特のメカニカルアジャスト機構を備えたアーチ状のハンガーによって、より高い装着感を実現する

イヤホン部はいわゆる耳栓タイプのカナル型ではないので、最初は慣れないかもしれないが、可動式イヤーハンガーによる安定感と、超小型スピーカーを耳の直近で鳴らしているような開放的なリスニングの魅力は、じわじわと体に染みこんでくる。その心地良さを知るEARSET 3iのユーザーは、特に待ち望んでいたBluetoothワイヤレスイヤホンだろう。

カラーはグラファイトブラウンブラウン(写真)、ホワイト、ブラックの3色をラインナップする

BluetoothのオーディオコーデックはベーシックなSBCのほか、AACもサポートする。3つのボタンを搭載するマイク付リモコンは左側に設けられた。音楽再生やハンズフリー通話はもちろん、SiriやGoogleアシスタントの呼び出しもリモコンのボタンからコントロールできる。本体に内蔵するバッテリーのスタミナは最長5時間まで対応。充電ケーブルはUSB Type-Cとした。

3ボタン式のマイク付リモコンで、音楽再生/停止やハンズフリー通話などの操作が可能

サウンドはEARSET 3iと同じく、音楽の芯に宿るエネルギーを余すところなく引き出すようなビビッドな力強さが魅力。ワイヤレスイヤホンになって一段と輝きが増したようだ。ボーカルの声に厚みと深みがあり、細かいニュアンスが自然に引き立ってくる。

Spotifyで配信されているエゴラッピンのミニアルバム「色彩のブルース」からタイトル曲を聴いてみる。楽曲を再生するとすぐ、中納良恵のスモーキーなボーカルの甘い色気が漂いはじめた。声のボディがふくよかで輪郭がにじまない。中高域にかけてゆったりと響く余韻の階調感もきめが細かい。懐の深い空間にサキソフォンやピアノ、エレキギターなどバンドの楽器の音像が鮮明に立った。アーティストのパフォーマンスが目の前に迫ってくるような臨場感を味わえるところが、EARSETシリーズの醍醐味だ。

鮮明で臨場感のある力強いサウンドが魅力

ジャミロクワイのアルバム「Automation」から『Summer Girl』では、低音のインパクトが想像以上に鋭くバネが効いている。引き締まったビートの立体感が、EDMやロック、ポップス系のアップテンポな楽曲の緊張をさらに高めてくれる。低音の不快なダブつきや中高域への干渉もなく、安定したバランスの良いサウンドに何時間でも身をまかせていたくなる。

Beoplay H5などのワイヤレスイヤホンにも採用された、スマホアプリによるイコライジング機能もうまく使いこなしたい。Tone Touchの画面上で丸く白いアイコンを「EXCITED」「BRIGHT」「WARM」「RELAXED」の4つのエリア内で自由に移動させ、変わる音色をプレビューしながら好みのバランスにカスタマイズする。半密閉型のイヤホンなので、アウトドアリスニングを楽しむ際にはWARM/EXCITEDのポジションに傾けていくと、低音の存在感が際立ち、心地良さが増した。

EARSETは、Bang & Olufsenが伝統にあぐらをかくことなく、Bluetoothオーディオのトレンドを取り込みながら、期待を超える完成度に到達したワイヤレスイヤホンだ。

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