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周辺機器との組み合わせなど

話題のUSBオーディオアクセサリー、パイオニア「DRESSING」の効果を様々な用途で検証

公開日 2017/08/04 14:13 土方久明
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・NAS「DS213i」のUSB端子にAPS-DR001を接続

自宅では、LINNのネットワークプレーヤー「KLIMAX EXAKT DSM」を中心とするネットワークオーディオ環境で試聴した。SynologyのNAS「DS213i」のUSB空き端子にAPS-DR001を接続する。ネットワークハブでは効果があったが、NASに使用してどこまで良くなるのか、また、自宅環境下でどこまでその効果を確かめられるのかと興味津々だった。

SynologyのNAS「DS213i」のUSB空き端子にAPS-DR001を接続

DS213iに「ネマニャ・ラドゥロヴィチ 『バッハ』(96kHz/24bit FLAC)」の楽曲ファイルをコピーして再生する。APS-DR001をつけた状態だと、パソコンに挿した時ほどの効果は感じないが、わずかに高域の抜けが良くなり、音場の見通しがクリアになった。

・APS-DR002をCDリッピングドライブ接続に使用

最後はDRESSINGを使ってCDリッピングを行ってみた。MacBookPro にApple純正ドライブを接続して、リッピングソフトには定評のある「dBpower cd riper」を使用。リッピング品質設定は「Secure」に設定した。ネマニャ・ラドゥロヴィチ『バッハ』のCDを、APS-DR002を使用した状態としない状態でリッピング。2つのファイルを作成し、比較してみた。生成されたファイルサイズは同一である。気になる音質的な差だが、ヴァイオリンの質感表現に若干の違いを感じたものの、音質が向上すると言い切れるほど明快な差はなかった。

最後に、リッピングドライブの接続にAPS-DR002を用いてみた




いかがであっただろうか。パソコンに挿したり、USBケーブルに挟み込むオーソドックスな使用法では、3種類とも確かな音質向上を確認できた。どのモデルにおいても付帯音が減少することによって空間表現やボーカル表現が向上するのは共通の傾向。特定の音を派手にしたり、見せかけの解像度を上げたり、低域の量感だけ増すといった音色の変化とは異なる、本質的な音質向上を実感できた。

ハイレゾスマホとの組み合わせや、CDリッピングで使用した際は、筆者の耳ではその差を明快に聴き分けることができなかった。この辺りについては、環境が変われば印象が変わってくるかもしれない。一方で、ネットワークオーディオ環境の周辺機器への使用については効果が実感できて、興味深い結果になった。

今回試した3製品のうち、APS-DR001とAPS-DR002については、手軽に使えることと、音質向上効果、そして様々な製品へ利用できる汎用性の高さから、多くのユーザーにお薦めできる。

APS-DR003については、前記した2製品よりも大きな効果を感じるものの、決して安い製品とは言えない。ゆえに、APS-DR001/2で音質向上を実感したのちに、さらにその先を聴いてみたいという方にお薦めしたい。

また、空間表現やボーカルの音像描写に効果があることはここまで説明してきたが、それはすなわち、その効果を実感するためには最低限のスピーカーセッティングが求められるということだ。しっかりとしたセッティングが行われている環境であれば、DRESSINGの効果を最大限、実感することができるはずだ。

(土方久明)


今回試聴に用いた音源
<女性Jazzボーカル>
・「井筒香奈江 『リンデンバウムより』 (192kHz/24bit FLAC)」track1


<クラシック>
・「ネマニャ・ラドゥロヴィチ 『バッハ』(96kHz/24bit FLAC)」
・「アリス=紗良・オット『ショパン:ワルツ集』(96kHz/24bit FLAC)」



<J-Pop>
「宇多田ヒカル - 『Fantome』(96kHz/24bit FLAC)」




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