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【特別企画】音質も他を寄せ付けない

これがUHD BDの最高画質。OPPO ユニバーサルプレーヤー「UDP-205」驚異の実力

2017/07/07 大橋伸太郎
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『シン・ゴジラ』はHDRでは異例と言っていいほど平均/ピーク輝度が低い。どんよりした映像になりやすいが、UDP-205で再生すると現実の日照下における非日常に迫真性が生まれる。輝度信号の再現特性に優れ階調が豊かできめ細かく、加えてノイズのない洗い流されたようなクリアかつ緻密な映像がその理由だ。

マルチch再生は、デノンのAVアンプ「AVR-X6300H」を組み合わせてチェック

ゴジラの複雑な頭部もゴツゴツした立体感があり、その怒れる造型にクリエーターが何を託したのかが開示される。ナイトシーンでは暗部のS/Nも際立って優れ、透き通るような奥行きが生まれ、ブルーブラックの夜闇の中にゴジラの立体感と異形のディテールが冴え存在が象徴している悲劇性が増す。劇伴はソプラノが輪郭の引き締まった凛とした佇まいで前方音場(本作は3.1ch)に浮かび上がる一方、SEを濃やかな手際で掬い出す。

2K BD再生で際だった、映像の細部を描ききる能力

BDP-105DJPLと比較する意味を込めて、通常BDの2K映像を4Kアップスケーリングしての再生も行った。第1に印象的なのは、本機が細部を慈しみ愛でる画質を備えているということ。4Kネイティブ映像を再生したとき以上にそれが分かる。3DCGアニメのBD『Short Piece』に収録された「九十九」では、3Dアニメのレイヤーの立体感、また過去の視聴時に目が行かなかった主人公キャラクターの顔や装束、背景のこだわりや描き込みがそっくり浮かび上がる。ユーリー・ノルシュテインのアナログ切り絵アニメのように生き生き動く。この定番ソフトの全貌を描き切った初のビデオプレーヤーかもしれない。

コダック35mmフィルムシューティングによる実写映画『海街Diary』の、中望遠でフォーカスが合焦した部分に現れる解像感の厳しさ、緻密さ、小気味よさ。ノイズの妨害が極小だからこのきめ細やかさ、ディテールの追い込みが生まれた。広瀬すずのふくよかな黒髪の1本1本が分離して陽光に眩く輝くさまは目が洗われる清冽さだ。

■ユニバーサルプレーヤーとして群を抜く音質

アナログ出力による2chステレオの音質は、オーディオ再生専用の試聴室で確認した。スピーカーは「TAD-E1」、アンプにはアキュフェーズのプリアンプ「C-3850」とパワーアンプ「M-6200」2基を使用した。

音質チェックにはアキュフェーズのセパレートアンプとTADのスピーカーというシステムで検証を行った

まずはSACDを再生。UDP-205の音色は明るく、のびのびと開放的に鳴る。帯域は充分に確保され、音場表現は水平方向に広がっていく。高橋アキの弾くピアノ『ジュ・テュ・ヴ』は、量感豊かで歯切れがよい。キップ・ハンラハンのN.Y.ラテン『ビューティフル・スカーズ』もベースの存在感が前面に出て量感十分。ローエンド一歩手前でふくらみを持たせることで量感を充実させ、視聴室を揺さぶる轟音を出せる。ユニバーサルプレーヤーというカテゴリーにおいて、他を寄せつけない音質を備えている。

■骨太な低音と空間表現を安定して効かせるUSB-DAC再生

USB-DACの音質は、Mac Book ProとクリプトンのUSBケーブル「UC-HR」を組み合わせて確認した。デジタルファイル再生にありがちな低域の支えの薄い腰高な響きではなく、低域が充実しどっしりした厚みのある骨太な音を聴かせる。大音量再生でも歪みやS/Nの劣化がなく、終始安定して演奏を聴かせてくれる。情報量が多く空間再現に優れ、音の階調がなめらかだ。

次ページ現時点で世界最高、史上最高性能のディスクプレーヤーと断言する

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