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意識しなければワイヤレスだと忘れるほどのサウンド

入門Bluetoothイヤホンの新スタンダード!オーディオテクニカ「ATH-CKR75BT」レビュー

2017/06/21 岩井 喬
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「iPhone7」のイヤホンジャック廃止というショッキングな事態に呼応するかのようにマーケットが拡大しているのがBluetoothイヤホン市場である。もちろん、これまでもBluetoothイヤホン及びヘッドホンの市場は伸張してきていたが、この数年は低価格ゾーンと5万円を超えるような高価格ゾーンに対してのアプローチが増えている印象だ。Bluetoothイヤホンに限定すると1万円以下のエントリーモデル、そして3万円以下のミドルクラスの層が厚く、いずれのクラスも年々音質が向上している。


先日オーディオテクニカの『Sound Reality series』として初のBluetoothイヤホンのラインナップが3機種発表された。同社では既に『Sound Reality series』のオーバーヘッド型でBluetoothモデルを投入しており、“原音再生” “高解像度” “高レスポンス”をコンセプトにした、より本格的な高音質ワイヤレス対応モデルとして注目されている。

今回登場した『Sound Reality series』のイヤホンラインナップである「CKR」シリーズは、2つのドライバーを対向配置する“世界初”機構を磨き上げた「ATH-CKR100」を筆頭に高価格帯から低価格帯からまでバラエティに富んだ製品群を用意。Bluetoothイヤホンも様々なユーザーが選びやすいラインナップを揃えており、なかでも最上位の「ATH-CKR75BT」は、音質や高級感ある装いにこだわりつつも普段使いに最適な機能/機動性を兼ね備えたハイC/Pモデルといえるだろう。

ATH-CKR75BT


通信の問題をクリアしつつアルミハウジングを採用
音質を追求しながら装着性も高める


このATH-CKR75BTは、一口で言えば既に発売されている「ATH-CKR70」のBluetooth版。しかしドライバーユニットは口径こそATH-CKR70と同じΦ11.8mmだが、Bluetooth用に最適化した新開発の広帯域再生対応ドライバーを積む。ハウジングは不要共振を抑えるアルミ製で、内蔵アンプは奥行きある音場表現を目指したという。

通信問題をクリアしつつアルミ筐体を採用。不要共振を抑え音質向上に寄与している。ドライバーはBluetoothモデルに最適化された新開発のΦ11.8mmダイナミックドライバーだ

カラーバリエーションはグラファイトブラック、シャンパンゴールド、ガンメタリック、ブリリアントレッドの4色構成で、表面処理は高級感あるアルマイト処理が施される。対応コーデックはSBC、AACのほか、高音質なaptXにも対応。内蔵バッテリーの充電時間は3時間で、最大使用可能時間は7時間となる。装着性を考慮し、バッテリーとイヤホンは別に分けた作りとなっており、バッテリー部はちょうど襟元にくるような形で重量バランスも良好だ(襟元で固定するクリップも同梱)。

バッテリー部は襟元に留められる“Clip-on”スタイルなので装着感も良い

一般的に高級機ほどハウジングに金属素材を用いて振動を抑える設計を実践しているが、Bluetoothイヤホン/ヘッドホンの場合、ハウジングに金属を使うと電波送信の妨げになってしまうため、アンプやアンテナをハウジングにまとめ込んだ仕様であれば必然的にハウジングはプラ系パーツにせざるをえない。

しかしオーディオテクニカではオーバーヘッド型の上位機種「ATH-DSR9BT」など、アルミハウジングを用いつつBluetoothを両立したモデルを実現させており、このATH-CKR75BTもまた分離したバッテリー部やリモコン部とともにアンテナの機能性もハウジングから解放したことでアルミ素材を採用することが可能となった。

バッテリーやアンテナをイヤホン部から分離することで、イヤホン部の小型化と金属筐体の採用を可能にした

左右の筺体を繋ぐケーブルすら排除した完全ワイヤレスイヤホンも登場しているが、音響設計的に理想とするメタルハウジング構造を取り入れるには工夫が必要である。その点本機は左右筺体を繋ぐケーブルにリモコンやバッテリー、アンテナなどの機能性を持たせたことで、装着性を損なわず、最大の武器である音質を追求した作りに徹し、CKRの名にふさわしいBluetoothイヤホンとして仕上げられたのだ。


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