音楽リスニングだけじゃない
AKGのモニターヘッドホンは楽器練習でも活躍!使ってギターを弾いてみた
K 171 MK IIはベースのピック弾きが気持ちいい
AKGモニターヘッドホンのど真ん中は「スタジオ」シリーズ。100番モデルは、耳を覆うアラウンドイヤーではなく耳に載せるオンイヤーのイヤーパッドを採用したコンパクトタイプだ。「171」はその100番のハイエンドとなる。
イヤーパッドは合皮製とベロア製の2種類が付属しているが、肌触りが好みに合う方を使えばよい。ケーブルは着脱式で3mのストレートと5mのカールの2種類が付属。
音質設計では「バスチューブ」がポイント。密閉型独特の低域の膨らみは、リスニング用としては生かすのもありだが、モニター用としては難点。そこをバスチューブで補正している。
まず普通にポータブルプレーヤーとつないで曲を聴いてみると、ボーカルのセンター定位の明瞭さ、その姿が音場中央に綺麗に浮き上がる様子が特に印象的。こういった基本を十分に具現化できる製品は大概、全ての要素が十分な製品だ。
小松未可子さん「また、はじまりの地図」の硬質に輝くピアノと爽快に抜けるドラムスの再現も見事。ゴツく締まったベースラインの聴き取りやすさもよい。音のアタックの強さ明確さも持ち味だ。
クリーンからクランチの歪み具合までのギターでは、アンシミュを通している割にはエアー感は押し出さず、ラインに近いダイレクトな音色。音が近くシビアなので練習時にはよいかもしれない。ただ「せっかくアンシミュ使ってるのに……」と、気分的にはちょっと惜しい気もする。
なので、ギターよりはそもそもラインとの相性が良い楽器であるベースの方によりマッチする印象。ワイドレンジにせずミッドにまとめ、音の芯をがっしり骨太に出して肉付けもしっかり。ジャズベよりもプレベに近い、ムスタングベースのサウンドにも合っている気がする。ブリッジ寄りのポジションを強めの順アングルでピッキングしてストレートなロックベースっぽいフレーズを弾くと、前述の太さや厚みに適度なエッジと暴れも乗ってきて気持ちいい。