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「もうシルバーバージョンには戻れない」

音質にさらなる磨きをかけた「micro iDSD BL」― 旧バージョンの愛用者、高橋健太郎氏がレポート

2017/06/15 高橋健太郎
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ヘッドフォンでも印象は同じ。コンパクトゆえさまざまな使い方も可能

スタジオでミックスの確認用に使っているゼンハイザーの「HD 600」で、ヘッドフォンモニターもチェックしてみたが、要素が整理されて、分かりやすく聴かせる印象はスピーカーでの試聴と共通した。シルバーバージョンよりも明らかに細部のにじみが少ないのは、モニター用にはとても好ましい。

昨今のヘッドフォンは低音を誇張したものが多いが、フラットなバランスでのモニターを必要とする僕は、ゼンハイザー製品の中でも低域がタイトなHD 600を愛用している。「HD 650」以上の機種になると、低域が豊か過ぎるのだ。micro iDSD BLでの試聴も低域はまったく不足ない。ゆえにX Bass+スイッチは使うことはない。背面の設定はIEマッチはオフ。パワーモードはここでもノーマルだ。

高橋氏がモニタリングに愛用するSENNHEISER「HD 600」との相性を確認

という訳で、デスクトップ、リビング、スタジオという3つのシチュエーションでmicro iDSD BLをテストしてみたが、これまで愛用してきたシルバーバージョン以上のポテンシャルを持つDACであることを確認できた。音を聴いてしまうと、もうシルバーバージョンには戻れないと感じる。というより、これまでもmicro iDSDをさまざまな場所で、さまざまな用途で使ってきたので、音質面に磨きがかかったmicro iDSD BLを追加購入して、ブラック、シルバーの二台使いにしてもまったく困らない。

スタジオでは以前からmicro iDSDをiPad用のDACとしても使っている。昨今はiPad用の音楽ソフトウェアが数多く登場しているが、それらを鳴らし、iPadを楽器として使用する時に、アップルのLightning - USBアダプタを使って、micro iDSDをDACとして使用するのだ。キーボードにはiPadにBluetooth接続できるKORGのMicroKeyを使う。これでiPadがProToolsへの録音にも十分使えるシンセサイザーやエレクトロドラムになる。このコンパクトなセットはライブなどに持ち運ぶのにも便利だ。

iPadからのミュージック・アプリの出力をmicro iDSDへ送り込んで再生することももちろん可能。コンパクトなサイズは自由な使い方を可能とする

シルバーバージョンはポータブルな機動力を生かして、こうした用途に積極的に使い、シリアスなオーディオ再生用にはmicro iDSD BLを使う。そんな形が良いかもしれないと考えている。

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