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その登場背景とは?

iFIオーディオ初の“デジタルハブ”「nano iOne」をヴィンセント・ルーク氏が解説!

2017/04/25 Vincent Luke(iFi Audio)/翻訳:生塩昭彦
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Part 2. nano iOneとは何か?

ちょっと想像してみてください。私たちのnano iDSD、micro iDAC2、そしてRetroから逃げ出してきたデジタル・モジュールがひとつになって子供を産みだしたらどうなるか? 要するに、それがnano iONEなのです。

手短に言えば、nano iOneは手頃な価格の小さなデジタルオーディオ・ハブであり、驚異的な特徴を最高度に詰め込んだDACなのです。他に類を見ない、便利で興味深い製品で、どのようなホームオーディオ・システムにおいてもさまざまな応用が見事に可能になるのです。

nano iOneのフロントパネル。こちらには入力切り換えやフィルター切り換えを装備。Bluetoothはフロントパネルのフロントパネルのスイッチで行う

nano iOneのリアパネル。USB入力のほかRCA同軸/丸型光TOSのコンボ端子によるS/PDIF入出力を装備。アナログ出力はRCAを装備

AAC及びaptXによるワイヤレス伝送 − ワイヤレスDAC

これこそがnano iONEの基本です。この機能によって、並外れて便利なワイヤレス・オーディオ・ソースに変身するのです。

お手持ちのオーディオシステムに、音楽の入ったタブレットやスマートフォンを加えることができます。タブレットやスマートフォンとnano iOneを、ペアリングボタンを使ってペアリングするだけで作業完了です。PC、Mac、Android用にaptXを、そしてApple のiOS機器用にAACを装備しているので、オーディオファイル並の音質が可能になります。これ以上に簡単なオーディオライフなどないでしょう。

S/PDIF入力

S/PDIF(RCA同軸および光TOS)接続は、いまでも広く使われています。nano iOneもS/PDIF接続が可能ですが、私たちの有名なS/PIDF iPurifierと同じジッター撃退技術によって、さらに強化されています。これによって、nano iONEは同一価格帯では他に類を見ない機器となっているのです。CDプレーヤー、DVDプレーヤー、Blu-rayプレーヤー、テレビ、ゲーム機など、デジタルオーディオ・データを出力できる機能を持った機器から送られてきたデジタル信号をデコードして、オーディオファイル品質のアナログ信号を、お持ちのハイファイシステムに送ることができるのです。

USB入力

nano iOneはPCやMacを音源にしている場合にも使うことができます。大好きなテレビ・ドラマ・シリーズを思う存分楽しみたい時や、大好きなアーティストがYouTubeの音楽ビデオに登場している時など、いつnano iONEを使いたくなるか分かりません。超ハイレゾ・ファイルを含む多数の音楽コレクションをパソコンで管理したいと思う人もいるでしょう。

あなたの音楽コレクションがMP3ファイルであろうと、あるいはDSDファイルやDXDファイルであろうと、どの信号もあなたのパソコンからnano iOneに送られ、そこからお持ちのハイファイ・システムにオーディフォファイル品質のアナログ信号が送られます。

USBは、DSD256、DXD、384kHz/32bitまでのオーディオ信号を伝送することができます。

BluetoothからS/PIDFへの出力 − ワイヤレスDDC(デジタルからデジタルへのコンバーター)

nano iOneのS/PDIF接続は出力端子としても機能しますので、デジタル信号を他の機器(DACやAVアンプなど) にデジタル信号のまま送ることができます。

その点で言えば、他のデジタル製品(それがたとえUS$10,000のものであったとしても)とのワイヤレス・ブリッジとしても簡単に使うことができるということです。非常に真摯なオーディオファイルも、この製品をひとつ加えるだけで、スマートフォンやタブレットからお手持ちのホーム・ステレオ・システムに音楽を伝送することができるのです。

USBからS/PDIFへの出力 − 有線DDC

音楽ファイルがたくさん入ったノートパソコンから高品質なDACにデータを送りたいと思った時、それらのDACが高品質なUSB入力を備えていないことがよくあります。nano iOneのS/PDIF接続を出力用に使用すれば、Bit-Perfectのデジタル信号をUS$10,000のDACにも送ることができ、素晴らしいオーディオ再生が実現します。nano iOneのUSB入力にノートパソコンを接続し、S/PDIF出力経由で信号を「取り出し」、DACのS/PDIF入力に送る…これで完了です。192kHz/24bitまでのフル高解像度のサポートとJET(ジッター除去テクノロジー)、そしてさらにガルバニック・アイソレーション(絶縁)を施されたS/PDIF出力の組み合わせによって、nano iOneはどのようなオーディオファイル・システムにとっても、本物のソースとなるのです。

高品質なホーム・オーディオ・ハブ

nano iOneの主要な機能は、オーディオファイル品質のアナログ信号を他のアナログ機器に伝送することです。アンプやヘッドフォン・アンプ、パッシブ・スピーカーやヘッドフォンさえあれば、すでにお持ちの機器を使ってマルチ・ソースのオーディオシステムを完全に構成することができます。

この種のものとしては唯一無二の存在

nano iOneのオーディオファイル・グレードのDA変換とアナログ出力段は、数多くのデジタル&ワイヤレス・システム(アクティブ・スピーカー、ストリーマー、サウンドバーなど)の音質をアップグレードします。こういったシステムに組み込むことによって、nano iOneがDA変換やワイヤレスおよび有線のインターフェース機能を引き受けるのです。

手のひらサイズの基板には、これまで培ってきたiFIならではのノウハウが満載されている

nano iOneを使うことで、ホーム・オーディオの音質を改善する数多くの方法が生まれます。本格的なオーディオシステムのある家庭には、ぜひともnano iOneをひとつあるいはふたつ加えていただくのがよいでしょう。

nano iOneについての短い紹介を楽しんでいただけたと思います。そうです、私たちがさらなる光を当てなければならない(そして場合によっては、光を当てることのできない)技術面の細かな点がまだまだあるのです。

大きな成功を収め、EISA賞も獲得したnano iDSDからスタートして、私たちはこのnano iOneの開発に至りました。このnano iOneは、据え置き型の特徴を備えてはいますが、ワイヤレスオーディオを含むさらに多くの機能を搭載し、オーディオの品質を一段上のレベルに引き上げています。そして、この種のものとしては唯一無二の存在となっているのです。


※この記事の完全版はiFI-Audioの「nano iOne」の製品ページに掲載されています。

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