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人気フォノEQが最新モデルへ進化

全てを一新したiFIオーディオの最新フォノEQ「iPhono2」を田中伊佐資氏が体験!

2017/04/25 季刊・アナログ編集部
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エネルギーはそのままにより明確な表現を実現
試聴に使用したのは、最近田中氏が特にお気に入りという、スミコのMMカートリッジ、Black Pearl。iPhonoのロードインピーダンスは200pFに設定し、同一条件にて新旧のiPhonoを聴き比べる。

底部のディップスイッチは健在。今回はSUMIKOのBlack Pearlに合わせてセッティングした

まずは、イーグルスの『イーグルス・ファースト』を聴き始めた。「iPhono2では電源が強化されていることもポイントだと思いますけど、そのためにエネルギー感がアップしたとかそんな単純なものじゃなくて、もっと音楽的な部分が出てきますね。イーグルスの力強さは残しつつ、微細な響きのニュアンスがよくでるようになっています」

前モデルも相当気に入っていた田中氏は、早速iPhono2の魅力を感じ取ったようだ。続いて、ニール・ヤングの『リヴィング・ウィズ・ウォー』から「アフターザ・ガーデン」を聴く。

「この曲はイントロの思いっきり歪ませたギターからのブレイクで出てくるドラムスの音が勝負なんですけど、その音が本当に“スコーン"と抜けていて気持ち良い。あと、合唱隊のところも粒立ちも良いですね。何よりも、このストレートさ。いわば“全駅通過の直行電車"みたいな音なんですけど、それがもう一歩上のステージに上がったと思います」

そして極めつけは、エマーソン・レイク・アンド・パーマー(EL&P)の名盤として誉れ高いファースト・アルバムだ。曲は冒頭の「バーバリアン」である。

「このアルバムは、EL&Pの意気込みみたいなものがすごく感じられる曲で、エネルギー感やパワー感が感じられないとオーディオ的にダメなんですね。メンバー3人の目一杯なプレイが音の塊のように飛んでくるんですが、その仕分けがすごく良い。これは旧iPhonoでもよく分かるんだけど、2になってよりエッジが立って明確な表現になったと思います。普通、整理すぎると大人しくなったように感じるものなんですけど、それもないですね。“この価格でよくぞ!"って感じです」

iPhono2の接続性等には大きな変更はない。ラックの隙間に置けるサイズも大きな魅力のひとつだ

聴き比べを終えてすっかりiPhono2のサウンドを気に入ってしまった田中氏。「聴き比べたらさすがに代えざるを得ない」とその音に大きく満足した様子だ。

フォノイコライザーでこの価格帯のモデルは、実はかなり少ない。iPhono2はエントリーユーザーはもちろんだが、旧モデルと同様、オーディオエキスパートにも十分にお薦めできる性能を持っている。

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