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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第187回】ポータブルDAP+スマホの2台使い、持ち物を増やさずどこまでスマートに運用できるか?

公開日 2017/04/21 11:04 高橋 敦
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●策-B:スマホに接続する時はケーブル自体を3.5mmシングルエンド駆動ケーブルに交換、そこからLightning-3.5mm変換ケーブルで変換

こちらもプレイヤーとは普通に2.5mmバランス駆動端子で接続

変換アダプタがなくなる分、少しすっきりはしてくれる

こちらは不格好さや端子への負荷の不安は緩和される。しかし荷物としてケーブルの方が変換アダプタより邪魔になりやすいのと、もうひとつ大きいのは「リケーブル端子はそもそもそんな頻繁な着脱を想定した端子ではない」ということ。

MMCX端子を毎日何回も差し替えるような運用は故障の原因となる可能性があり、あまりおすすめできない。それに変換アダプタなら一箇所の着脱で済むところリケーブルは左右の着脱が必要で手間もかかる。使っているイヤホンとプレーヤーがシングルエンド駆動で十分に満足できる組み合わせならばバランス駆動は諦め、「プレーヤー側でも常時シングルエンド駆動でそのケーブルに固定」というのが現実的だろう。

●策-C:スマホに接続する時はケーブル自体をLightningケーブルに交換

引き続きプレイヤーとは普通に2.5mmバランス駆動端子で接続

Beat Audio「Silversonic MKV」のLightningバージョン。すっきり!

スマホでの利用をメインに考えればこれが一番シンプルでスマートだ。しかし策-Bのところで述べたように、リケーブル端子は日常的頻繁さでの着脱に適した端子ではない。プレーヤーとの併用を前提とすればやはりおすすめはできない策だ。

ただ「スマホでの利用をメインに考えればこれが一番シンプルでスマート」という点は圧倒的なので、音楽再生もスマホメインで運用しているユーザーはこれで問題ないだろう。

●策-D:スマホともプレーヤーともBluetoothリケーブルでワイヤレス接続

Westone「WST-BLUETOOTH」。Wesdtoneイヤホンユーザーには鉄板な製品

こちらはSony「MUC-M2BT1」。こちらもMMCX。加えてこちらはLDAC対応とネックバンドスタイルが特徴

これは一本のイヤホンをプレーヤーとスマホの両方で使い分ける運用には全く適さない。ペアリングの切り替えが面倒だし、スマホ側だけBluetoothリケーブルにして使い分けるにしても、そのためだけに持ち歩くにはBluetoothリケーブルはかさばるし「リケーブル端子はそもそもそんな頻繁な着脱を〜」以下同文だ。

またBluetooth接続では、DAC以降のオーディオ処理はプレーヤー側ではなくレシーバー側、この場合はBluetoothリケーブル側のDACチップ以降で行われる。そうなるとプレーヤーの性能は生かされなくなるので、「だったら音楽再生全般スマホに任せちゃってよくね?」ということになってしまう。

しかし実際それも良いかもしれない。今後LDACやaptX HDに対応したスマホが増えてくれば、この運用でも十分なサウンドクオリティは期待できるだろう。

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