【特別企画】シングルBAらしいクリアさと中低域を両立

NuForceに何があった? 新イヤホン「HEM1」がエントリー機の定番になりそうな高音質

高橋 敦

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2017年03月17日
NuForceは音楽とハイテクの聖地、西海岸カリフォルニアから生まれたオーディオブランド。特にデジタルアンプの高音質化に早くから注目してその技術を向上させ、またその土地柄か高いデジタル技術を持ち、PCオーディオ用やポータブルDACなどで、本国だけでなく、世界中で定評を得ている。またOPPO社に技術協力をした“NuForceエディション”のBDプレーヤーが高い評判を得ていたのも記憶に新しい。

しかし、少なくとも日本のイヤホン分野においては、なぜか既存イヤホンシリーズ「HEM」がそれほど大きな話題にはなっていない。

NuForce「HEM1」想定実売価格:12,000円前後

…という書き出しで勘の良い方なら既にお気づきかもしれないが、これから紹介する同社のイヤホン「HEM1」は、昨年より新しく代理店となったバリュートレード社から、日本の市場に関する意見を取り入れたそうで、これまでのシリーズのイメージを覆し得るほどの出来栄えになっているのだ。

表側はスケルトン、内側はメタリックカラーを採用

カラーはブラック、ブルー、レッドの3色展開

ドライバー構成はシングルBAで、スタイルとしてはイヤーモニタータイプ。トランスルーセントとメタリックを組み合わせたカラーリングは独特だが、その他は実にベーシックというか、仕様や外観に大きな特徴があるわけではない。実売12,000円前後の見込みというのも、仕様からして極端に安くも高くも感じないだろう。

ではこのモデルのどこに様々な要因を「覆す」可能性があるというのか?答えはシンプルに「音」。音が良いのだ。

ただシンプルに「音」が良い

型番の数字の小ささと価格からわかるように、HEM1はこのシリーズのエントリーモデルだ。確認しておくとシリーズのラインナップはこのHEM1を加えて、以下を揃える。
HEM8(4BA)63,000円
HEM6(3BA)50,000円
HEM4(2BA)38,000円
HEM2(1BA)26,000円
HEM1(1BA)12,880円

正直に言ってしまうと、既存モデルの中だと僕はエントリークラス「HEM2」が最も好印象だった。もちろん厚みや沈み込みといった要素は上位のマルチBAモデルに及ばないが、シリーズの中でHEM2だけが唯一備える爽快なクリアさがその理由だ。

では「HEM1」はどうだろう?HEM1は、HEM2のそのクリアさを維持したままローミッドの主張も兼ね備える。メーカーには申し訳ないが上位の先代エントリー機HEM2を超える好印象。イコール、シリーズのどのモデルよりも好印象だ。

ローミッド、低域内で中域寄りな帯域のことだが、その主張というのは具体的には、エレクトリックベースのファットさやドライブ感の表現がうまくなった!というのが最大のポイント。それは技術的な工夫によって意図的に実現されたようだ。

前述の代理店の方の話だと、ドライバーの能率を意図的に下げることで、相対的にローミッドの厚みをもたせ、シングルBAでありながら全帯域でバランスの取れたサウンドと得ている…とのこと。参考までに以下に僕なりの解釈を添えておく。

本体側面にモデル名を印字

ローミッドの表現が良くなった技術的な理由を考察

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