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<山本敦のAV進化論 第112回>

“完全ワイヤレスイヤホン”3機種を徹底比較。それぞれの音質・使い勝手は?

2016/10/25 山本 敦
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・装着感
他の2モデルに比べるとイヤホン部は見た目に大きく、質量も7.5gあるが、耳に装着した時の安定感は随一。他の2モデルについては耳栓を着けているような感触がどうしてもぬぐいきれないのだが、本機の装着感はちゃんとしたイヤホンのそれなのだ。だから長時間身に着けていても疲れにくい。スタビライザーが本体に固定されているので、このサイズ感にも納得がいく。

スタビライザーは本体に固定されている

・付属品
シリコン製のイヤーピースがS/M/Lの3種類付いてくる。ケースはUSBケーブルが一体になっているので、別途USBケーブルを持ち歩く必要がないのは便利だが、サイズはもう少し小さい方がありがたかった。

USBケーブルはケースと一体化

・バッテリー
イヤホン本体は90分、ケースは2時間でフル充電に。そこから3時間の連続音楽リスニングができる。ケースのバッテリーでイヤホンが5回チャージできる。スタミナはピカイチ。

イヤホンを5回充電できるバッテリーを内蔵

・ボタン操作
ペアリングは左右のイヤホン表側パネルのボタンを2秒長押しして、まずは本体どうしをペアリング。続いてスマホのBluetooth機器リストから「Onkyo W800BT」を選択すると音楽が聴けるようになる。右側イヤホンのボタンで音楽再生と通話を切り替える。マイクもこちら側に内蔵している。通話の音声は相手にもきこえやすかったようで好評だった。最大4台までの機器を登録しておくことができる。

・特徴的な機能
マイク部分にデジタルノイズキャンセリングとエコー低減機能を乗せて、安定感の高いハンズフリーコール機能を実現。電源の切り忘れを防げるオートパワーオフにも対応する。

・音質をチェック
8.6mm口径のダイナミック型ドライバーを搭載。中高域は透明感が高く、骨太で彫りの深い低域が深く沈み込む。ジャズのピアノトリオでは熱のこもったグルーブに包まれる。楽器の定位感が非常に鮮明だ。ボーカルのハイトーンは艶っぽい。クラシックは金管楽器の音色がとても華やかに再現される。aptX/AACには非対応であることを微塵も感じさせない巧みな音響チューニングのセンスが光る。

・総括
音楽を快適に楽しめることを最優先した、音質・装着感・ハンドリングの3拍子がバランスよく揃う完全ワイヤレスイヤホン。特に装着感が安定しているので、満員電車の中などで耳から落ちてなくす心配も比較的少ないと思う。

持ち運ぶ際、気になるのは専用ケースの大きさだが、5回もチャージできる安心感を考えれば確かに頼り甲斐はある。オープン価格だが、発売後は29,800円前後で販売されているケースが多いようだ。コストパフォーマンスも良好と言えるだろう。

■完全ワイヤレスイヤホンの魅力と課題を考える

今回3つの製品を一斉に試してみて、ケーブルから解放されることで「音楽に包まれているようなリスニング感」はこれまでにない体験であることが実感できた。イヤホンを身に着けていることを忘れてしまうほど、小型で軽ければますます体験の品質が向上する。

次ページ新製品の発表も止まらない

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