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さらなるシステムの拡張もテスト

“PCレス”のRoonServerはどこまで使えるのか? QNAPとSynologyのNASで検証

公開日 2016/08/01 11:05 逆木 一
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QNAP「TVS-471」でRoonServerを使う

QNAPのTVS-471はRoon Labsの推奨にもなっている製品で、CPU・メモリ共に十分な性能を備えている。少し話は変わるが、QNAPのNASはネットワークオーディオの黎明期からオーディオ用に適する製品として高い評価を得てきた。少なからずその流れが継続してRoonServer対応第一弾に選ばれたのだと考えると、なかなか感慨深いものがある。

TVS-471 想定売価198,000円(税込) 取り扱い:テックウインド(株)

まず下準備として、TVS-471に「RoonServer」という名称の共有フォルダを作成する。これはRoonのデータベースを保存するためのもので、動作速度の関係からSSDの使用が強く推奨されている。

まずは「RoonServer」という名称の共有フォルダを作成

続いて、Chris Rieke氏のウェブサイトからQNAP用のRoonServerをダウンロードする。ちなみにChris Rieke氏はRoonのコミュニティのメンバーで、NAS用のRoonServerは元々彼が個人で始めたプロジェクトにRoon Labs本体が合流して出来上がったものだ。

QNAP用のRoonServerは「QPKG」によって提供されている。QPKGとは、QNAP製品に新たな機能を実装するためのプラグイン・ソフトウェアで、管理画面の「App Center」から「手動でインストール」を行う。

TVS-471のUI(ウェブブラウザで表示できる)からApp Centerを選択

ダウンロードしておいたRoonServerを手動でインストールする

こうして、TVS-471に無事RoonServerがインストールされた。インストールの手順は通常のQPKGと何も変わらず、ユーザーがコマンドラインと格闘する必要は一切ない。

RoonServerが正しくインストールされた

この時点でTVS-471はRoonServerとして機能しているのだが、次に音源ファイルを入れるための共有フォルダを作成する。ここではTwonkyServerなど他のサーバーソフトと共用することも考えて、「Multimedia」フォルダを有効にする。そのためには「コントロール・パネル」→「システム管理」→「一般設定」と入り、フォトステーション云々……のチェックを外せばいい。

「コントロール・パネル」→「システム管理」→「一般設定」と入り、赤枠で示したボックスのチェックを外す

ネットワークからTVS-471を見てみると、「RoonServer」と「Multimedia」の共有フォルダが出来ている。あとは音源ファイルを「Multimedia」に入れるだけとなる。高価格帯のNASだけあって、転送はさすがに高速だ。

「RoonServer」と「Multimedia」の共有フォルダが出来ている

音源ファイルを「Multimedia」にコピーする

それではいよいよ、TVS-471をRoonServerとして使用してみよう。RoonServerは「Control」、すなわち操作のためのインターフェースを持たないため、iPadにインストールした「Roon Remote」アプリから操作を行う(以降のセットアップ画面では、TIDALのログインなどは省略している)。

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