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ユニット構成含め異なる個性の違うサウンド

音楽制作から日常まで使える万能モニター系イヤホン。オーディオテクニカ“ATH-Eシリーズ”全モデルレビュー

2016/07/12 岩井 喬
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音楽制作にも普段使いにも使える、万能モニター系イヤホン

数あるイヤホンやヘッドホンから良いものを選ぼうと考える際、一つの指標として“プロ用モニター”という響きはとても惹かれるものがあるのではないだろうか。スタジオでの楽曲制作や録音、ライブ会場での音響設計において大事なツールとなるモニター系モデルは、基本的にサウンドバランスや細部のチェック作業に用いられるため、一般的な音楽鑑賞向けの音質とは異なり、硬い質感で長時間のリスニングには不向きなものも多い。

一方、昨今のパーソナル制作環境におけるニーズの高まりを受け、通り一辺倒なモニター機は少なくなった印象もある。セミプロ向けの音楽鑑賞にも使える、万能モニターとしての性格付けを行った製品も増えつつあるようだ。そのひとつとして今回はオーディオテクニカが楽器流通向けに展開しているモニター系イヤホン“ATH-Eシリーズ”をご紹介したい。

オーディオテクニカのモニター系イヤホン“ATH-Eシリーズ”

ATH-Eシリーズは純粋な価格帯でのグレード設定ではなく、ユニット構成を含め個性の違うサウンドを持たせた、シーンによって使い分けを想定したラインナップとなっている。まずシリーズで最も手頃な価格設定となっている「ATH-E40」はΦ12.5mmダイナミック型ドライバーを2基使用した「デュアルフェーズ・プッシュプルドライバー」を搭載。レコーディングや音楽制作時だけでなく普段使いのモニターとして聴きやすいバランスのサウンドを実現したとのこと。

ATH-E40

さらにシリーズのミドルクラス帯に位置する「ATH-E50」は、素直なサウンドがポイントとなるシングル・バランスドアーマチュア型(以下、BA型)ドライバーを積んでおり、よりコンパクトな筺体を用いて装着性を向上させ、DTM制作でのモニターだけでなく、ステージモニターとしてよりアクティブなシーンでの使用も想定したつくりとなっている。

ATH-E50

そして最上位の「ATH-E70」はBA型ドライバーを3基搭載し、高域・中域・低域に分けた3ウェイ構成を採用。分解能の高さと緻密な音場再現性を追求したといい、ステージモニターはもちろん、スタジオでの繊細なミキシング作業も想定した、きめ細やかなサウンドが特徴だ。なおこのATH-E70だけはイヤーピースに通常のシリコンタイプに加え、低反発フォームを用いたComplyも同梱。より幅広いシーンへの対応力を持たせている。

ATH-E70

いずれのモデルも音質や耐久性、メンテナンス性の高い同社独自のA2DCコネクターを用いたケーブル着脱式仕様としており、装着は耳かけ式とし、ひっかける部分は形状記憶素材を採用。使い勝手の良いコンパクトなハウジングサイズと合わせ、取り回しの良い設計を貫いている。コンシューマーラインにもこの3製品に似た構成を持つものが存在するものの、各モデルのドライバーは音楽制作向けを意識したATH-Eシリーズ専用の設計であり、求めた音質も違うのだ。

いずれのモデルもケーブルは着脱式。独自のA2DCコネクターを採用している

装着は全モデルとも耳かけ式

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