約3千円/4千円のお手頃モデル

AKG「Y20/Y20U」レビュー:AKGらしいサウンドが魅力の入門イヤホンの決定版

折原一也
2016年06月15日
AKGらしいサウンドクオリティを追求した、入門イヤホンの決定版

AKG「Y20U」

オーストリアの名門ブランド・AKGのなかでも若者向けラインに位置付けられ、人気を博しているイヤホンが「Y20/Y20U」だ。AKGのエントリーイヤホンの伝統として高性能8mmダイナミック型ドライバーを搭載。音楽好きで、上質なデザインのプロダクトを求める若者にアピールするYシリーズらしいスカンジナンビアンデザインで、超小型ながら有機的なカーブを描く美しいデザインが特徴となっている。

長時間リスニングでも疲れにくい形状のハウジングを採用。背面にはさりげなく「Y」の刻印が。

「Y20」と「Y20U」の違いはリモコンの有無。リモコンなしの「Y20」はブラックとホワイト、1ボタンリモコン付きの「Y20U」はイエロー、ティールブルー、ブラック、ライトグレーの4色を展開する。音質に大きな差はないので、カラーやリモコンの有無で選んでもいいだろう。

Y20Uのリモコンはワンボタン式

公式通販サイトの販売価格は「Y20」が2,880円、「Y20U」が3,880円(共に税抜)と、イヤホンの市場全体としてもエントリーの価格帯の本モデルだが、発売から1年を経たいま、最新の音源でどれだけ通用するのか。Y20でハイレゾ音源でじっくり音質を聴き込んだ。


ヌケ良くナチュラルで、空間再現に優れたサウンド

まず、三代目J Soul Brothersによる『R.Y.U.S.E.I』を聴くと、気持ち良く安定感・リズム感豊かに刻む重低音と、エッジの立った男性ボーカルの鳴り、そしてピアノの響きの素直さに感心させられる。特に高揚感のあるサウンドの曲だが、Y20Uで聴くとまさに音源の配置まで見通せるような包み込まれる音場で再現された。

ロックの音源ではKEYTALKの『桜花爛漫』をセレクト。空気感と適度な量感、ボリューム感を併せ持つドラムに、気持ち良く刻むギターの先鋭感と分離感。男性ツインボーカルの声もナチュラルだ。聴き疲れしないサウンドで鳴らすため、思い切りボリュームを上げて聴いた時の爽快感が気持ち良い。

女性ボーカルの音源は、宇多田ヒカルの『花束を君に』を。ボーカルの声をシャープに引き立て、音源の持つ空間の見通しも素晴らしく、リズム感も豊かに引き出す。

「ズートピア オリジナル・サウンドトラック」収録のShakiraの『Try Everything』のラテンなリズムも、Y20で聴けば気持ち良く空間を揺らすようなリズムを味わえるし、アコースティックギターの響きも鮮明に響かせる。

パッケージも顔やロールシャッハテストがあしらわれるなど、遊び心あふれるデザイン。


開封すると「Y」のロゴが。
さて、他にも様々なハイレゾ音源をY20で聴き込んで気付いたのは、ライブ音源との相性の良さだ。家入レオの『Silly (Live at Zepp DiverCity 2016.2.2)』を聴くと、会場の空間の響きがしっかり伝わってくるし、ボーカルの熱量もナチュラルに、じっくりと聴かせる。

   ◇  ◇   


「Y20/Y20U」を改めて聴き込んでみると、エントリーでありながら実にAKGらしいイヤホンだ。若者向けと言いつつ重低音をブーストしたサウンドにせずヌケ良くまとめ、高域もイヤホンにありがちな強調感がなくナチュラルに鳴らし通す。故にバランスに優れ、空間の広がりも素直だ。何より、この高音質で「Y20」が2,880円というコストパフォーマンスも驚きだ。

エントリーのイヤホンでもAKGのサウンドクオリティを継承する「Y20/Y20U」。その実力は、AKGの上位モデルをはじめハイエンドの音を知るファンなら確実に分かるはず。もちろん、エントリー価格帯で、特に素直に高音質なイヤホンを探し求めているユーザーにもお薦めしたい。