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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第158回】続・ちゃんと説明できますか? 知っておくべきハイレゾDAPまわりの最新トレンド

2016/06/10 高橋 敦
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■最新ポータブルオーディオ2016梅雨!<後編>

主にポータブルオーディオ周りの今後に向けて今から注目しておくべき「トレンドワード」的なものを、ずらっとそしてさくさくと紹介していきたいという企画、題して「ポタオトレンドワード2016梅雨」。前回のイヤホン&ヘッドホン編に続いて、今回後編はプレーヤー・ポタアン編だ。

<目次>
・MQA
・Raspberry Pi
・Nutube
・4.4mmプラグ&ジャック
・USB-C
・アップデート


▼MQA

・タグ|プレーヤー アンプ 新規格 潮流

●ワード概要
メリディアン・オーディオが開発したオーディオコーデック。周波数特性よりも時間軸を重視したことによる音質改善と、既存のロスレスコーデックを大きく上回る圧縮率を兼ね備え、ダウンロードにせよストリーミングにせよ、ハイレゾ配信周りで大きな注目を集めている。

●トレンド解説
音質改善の内容としては過渡特性と遅延特性、音の立ち上がりや消え際の再現性に優れるようだ。既存のデジタル音声処理で「プリエコー」「ポストリンギング」と呼ばれている部分により根本的なメスを入れたものと思われる。

圧縮率の大幅な向上については、同社が「カプセル化」「オーディオ折り紙」と呼ぶ手法によって実現されているとのこと。この説明が何とも概念的なものであり正確な理解は難しいのだが発想としては…

音声のデジタルサンプリングにおいては、高域側(高周波数帯域)になるほどそれに要するデータ量が増大する。逆に低域側ではデータ量の上限までに余裕がある。ならば超高域のデータを低域側の余裕のある部分に隠し入れれば…

…ということのようだ。しかし理屈はさておき、その音を実際に聴いたオーディオ関係者の多くが「(理屈はいまいちわからないのだけれど)音はいいんだよなあ…」といったような反応を示しており、実力は確かと考えてよいだろう。海外先行でハイレゾダウンロードやストリーミングへの採用が開始されていたり決定されていたりしたが、先日から国内でもダウンロード配信が開始され、また一部のポータブルプレーヤーが(兼ねてからの予告通りに)システムアップデートで対応を果たした。

プレーヤーではオンキヨー「DP-X1」パイオニア「XDP-100R」がアップデートによっていち早くMQA対応


e-onkyo musicでのMQA配信開始ラインナップの一部。いい意味で「またお前か!」感のある「Quiet WInter Night」等

次ページ続いて、Raspberry PiとNutube

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