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低音調整機能でどこでも快適サウンド

ゼンハイザー「HD 630VB」レビュー。同社初の密閉型ハイエンドヘッドホンの実力とは?

2016/05/10 山本 敦
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ゼンハイザーのハイエンド・ヘッドホンと言えばすぐに「HD 800」や「HD 700」「HD 650」など名機の顔ぶれが思い浮かぶが、これらのモデルに共通している点はどれもオープンエアタイプのハウジングを採用していることだ。ゼンハイザーはこれらの名機に肩を並べる密閉型のハイエンド機「HD 630VB」を投入した。

ゼンハイザーの密閉型ハイエンド・ヘッドホン「HD 630VB」

ゼンハイザーがこの時期に密閉型ハイエンド・ヘッドホンを開発した理由は明白だ。ハイレゾポータブルオーディオプレーヤーもラインナップが増え、若い世代を中心に“いい音”は質の高いヘッドホンで楽しむカルチャーが世界中に定着しつつあるからだ。

室内に比べ騒音の多いアウトドア環境とは言え、どんな場所で聴いても最高のリスニング体験をユーザーに届けることが、ヘッドホンのプレミアムブランドであるゼンハイザーに課せられた使命だ。音楽ファンの志向が新たな方向へ移りつつある今だからこそ、ヘッドホンによる音楽リスニングの歴史に次のマイルストーンを築くため、HD 630VBという新しいリファレンスモデルが誕生した。

■低音調整機能を搭載したハイレゾヘッドホン「HD 630VB」

HD 630VBには38mm口径のダイナミックドライバーが搭載されている。これはゼンハイザーのR&D拠点の一つであるアイルランドで製造されたものだ。本機がポータブルオーディオリスニングに照準を合わせたヘッドホンであることをわかりやすく示す特徴はいくつかあるが、そのうちの一つはローインピーダンスのボイスコイルを用いて能率を高めた点だ。インピーダンスは23Ω、入力感度が114dB。iPhoneやAndroidスマホにそのままつないでも十分にパワフルな音が鳴らせる。再生周波数帯域は10Hz〜42kHzをカバーするハイレゾ対応のヘッドホンだ。

外観のカラーリングはシルバーとブルーグレーを基調に、ハウジングの内側にワンポイントとして鮮やかな赤を配色した。アルミ製の大柄なハウジングの正円形デザインが未来的で、個性を際立たせている。

イヤーカップには質感の高いアルミニウムを採用

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