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オーディオワンショット<第10回>

藤岡誠がいま注目するアナログ関連製品 - 最新「アナデジプレーヤー」やFLUX HIFIの洗浄機など

公開日 2016/03/24 10:25 藤岡誠
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“アナデジプレーヤー”と呼びたいティアック「TN-570」に注目

周知の通り、最近は国産、輸入品を問わずプリメインアンプにDAC、USB-DACを搭載するタイプが多くなった。これら機能の搭載は、大袈裟ではなく、フォノEQの内蔵と同様に日常化しつつある。

本機「TN-570」は、そうしたアンプ側の今日的な傾向・方向性に沿って企画されたアナログプレーヤー。つまり、常識的なカートリッジ出力の他、光デジタル(TOS)の出力端子やUSB端子(Bタイプ)が装備され、アナログとデジタルの出力が混在したプレーヤーになっているのだ。価格はオープン価格で実売12万円前後が想定されている。

ティアック「TN-570」¥OPEN(市場想定価格120,000円前後)

このようにアナログとデジタルの出力が混在したアナログプレーヤーは、既にいくつかのメーカー/ブランドが参入済みで、中には本機を含め、何と“Hi-Res=ハイレゾ”のロゴマークまで取得しているタイプさえあるわけで、決して珍しいタイプとはいえない。こうした製品を目の当たりにすると、アナログレコード再生のベテランたちにとっては、まさに隔世の感ありというところだろう。私は今後、この種のプレーヤーを “アナデジプレーヤー”と呼ぶのも面白いと思っている。

さて、本体は人造大理石材とMDF材を1mm厚ほどの合成ゴムシートを挟んで積層した35mm厚のベース上に構築され、勿論、ダストカバーが付属する。背面を見ると、通常のアナログプレーヤーらしくない、デジタル系の端子類が横一列にずらりと並んでいる。

背面端子部。アナログ出力に加えて、USB、光のデジタル出力を搭載

付属カートリッジはオーディオテクニカ社のVM型「AT100E」相当品となる。本体にはフォノEQ(MM)を内蔵。専用スイッチでこのEQをスルーできるから高級なMC型カートリッジの装着も可能だ。アームは実効長223mmのS字形スタティックバランスバランス型。アームリフター、アンチスケーティング、高さ調整機構が付属。パイプ内の導線はPC-Triple C。ターンテーブルは重量1.4kgで厚さ16mmの高透明なアクリル樹脂製。これが高トルクDCモーターによって外周ベルトが駆動される。電源は付属のACアダプターからDC12Vが供給される。

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