水中撮影・ワイコン・アプリ連携などもチェック

JVCのタフネスビデオカメラ“Everio R”「GZ-RX600/R400」レビュー。水中撮影やアプリもテスト

会田 肇
2016年02月18日
■タフネスビデオカメラ『Everio R』の実力をチェック

“Everio R”「GR-RX600」。IPX6対応なので雨の中での撮影でもまったく問題がない

“タフネス仕様”のビデオカメラと言えば真っ先に思い浮かぶのは、市場で人気が高まっているアクション系カメラだろう。しかし、このタイプのカメラはモニターが本体にない、ズーム機能がない等、ビデオカメラとしての使い勝手は決して高いとは言えない。そんな中、市場で着実に人気を高めているのがJVCケンウッドの『Everio R』シリーズだ。

このシリーズ、当初は『Everio』シリーズの派生モデルとして2014年2月に登場した(当時は“R”を冠していなかった)。外観上も使い勝手も一見すると一般的なビデオカメラとほとんど変わらず、それでいてタフネス仕様としての「防水」「防塵」「耐衝撃」「耐低温」の4条件を備える。これが使用条件を気にせず使えるビデオカメラとして新たな需要を生み出したのだ。

このモデルは登場以来、市場で一定の評価を獲得。JVCケンウッドはこのシリーズを昨年12月に登場した新製品投入を機に『Everio R』シリーズとして独立させて、同社ビデオカメラの主力モデルに据えることにした。

ラインナップは内蔵メモリを64GBとしWi-Fi機能を備えた上位機「GZ-RX600」と、内蔵メモリを32GBに抑えてWi-Fi機能を省いた「GZ-R400」の2モデル。共に迷彩色を含めた豊富なカラバリを4色ずつ揃え、好みに応じた選択ができるカジュアルなビデオカメラとしている。

新たに追加された迷彩色のカラバリ「カモフラージュ」

基本的なスペックはその1年前に登場したGZ-RX500/R300のマイナーチェンジとも言える内容で、どちらのモデルもタフネス仕様として、IPX8、IPX6相当の防水性能と、IP5X相当の防塵性能、1.5mの耐衝撃性能、マイナス10度までの耐低温性能を装備。様々なアウトドアでの撮影に対応できる。

IPX8対応で5m程度の水深なら30分ほど連続で撮影できる

大容量バッテリーを内蔵し、3型23万画素モニターを搭載した点も同じだ。その他、手袋をしたままでもズームを直感的に操作できるシーソーズームも踏襲されている。

メインメニュー。タイル式の形状が押しやすく、デザイン的にも分かりやすい

新たに搭載されたのは、液晶モニターを閉じたままでも撮影ができる「LCDモニタークローズド」機能と、スポーツシーンの撮影で役立つ各種機能など。その他ワイドコンバージョンレンズが装着できるよう、レンズ部にネジ切りも施されている。

ワイドコンバージョンレンズを装着可能

モニターは電源のON/OFFを兼ねているのは新型でも同じだが、新型ではモニターを閉じて撮影が継続できるモード「LCDモニタークローズド」機能を追加。バッテリー節約にもつながるし、アクション系カメラのように定位置に取り付けて撮影する時に役立つ。

ワイドコンバージョンレンズへの対応は、本機の弱点でもあった広角端の画角を広げるためのものだ。本機は広角端の画角が40.5mm(動画時)と狭いため、その対策として講じられたもので、とくに狭いシーンで撮影するのに役に立つ。

0.7倍のワイドコンバージョンレンズを装着して撮影した映像

手ブレをOFFにして広角端で撮影した映像

気をつけるべきはワイドコンバージョンレンズの取り扱いだ。これは基本的に広角端の画角を広げるためのもので、取り付けてそのままズーミングすると組み合わせたレンズによっては周辺部が歪んでくることがある。使い勝手としては装着したままズーム全域で使えた方がいい。そこで手許にあったレンズを装着してみるとこれがほとんど歪みなしでズーミングできた。その辺りを実際に試してから選択するといいだろう。

新型にはスポーツシーンで役立つ撮影機能も追加された。ひとつは「セルフチェック機能」で、録画/再生を一定間隔で自動的に繰り返す。録画する時間は自分で決められるので、自分のフォームなどをチェックする時などに便利だ。

「ワンタッチスロー再生」も動きの速いシーンをじっくり見たい時に役立つ。再生中に画面をタッチすると表示されるスローボタンにタッチすると即座にスロー再生が始まる。ここぞ!というシーンをコマ単位で見られるのだ。また、設定した地点からの時間経過を映像上に記録する「タイムカウンター記録」機能も搭載された。

そして、もう一つ見逃せないのがWi-Fi接続機能の搭載だ。専用アプリ「Everio Sync.3」をインストールしたスマホからコントロールできるようになるものだが、これは他のビデオカメラでもできること。本機ではこれ以外にタブレットと組み合わせてレッスン等に最適な機能が追加できるのだ。それは専用アプリ「JVC CAM Coach 2」で可能になるもので、その機能は極めてユニークだ。

タブレット上で正面から録画した映像を反転させる「ミラー再生」が可能になり、たとえばダンスなどを練習する際、模範とする映像を撮影して反転させればお手本映像として利用できる。また、タテ撮りにも対応しているから、左右に模範映像と自分の映像を並べて大きく見ることも可能だ。操作に少し慣れが必要だったが、慣れればそのメリットは次第にわかるようになってくる。

「JVC CAM Coach 2」ではタテ撮りした映像を左右に配置して大きく映し出せる

タフネス仕様なので水中モードでも撮影してみた。ホワイトバランス設定で水深に応じて2モードを用意するが、今回は水深の浅いモード用の「水中2」で試みた。

ノーマルで撮ると全体に赤みが入るが、このモードを選ぶと水中でも自然な色合いに変わる。防水機能は水深5m程度の水槽で30分程度まで使える(IPX8)ほか、ホースで普通の放水程度なら問題なく耐えられる(IPX6)レベル。日常の使用シーンでは十分なスペックと言える。

肝心の画質はどうか。正直に言って特筆するほど優れているとは言えないが、通常見る分には十分な画質レベルと考えたい。手ブレ補正がない状態でも有効229万画素しかなく、電子機の手ブレ補正を効かせたり、ダイナミックズームを利かせると画素数は100万画素レベルにまで落ちてしまう。

望遠レンズを活かして撮影すると背景ボケは十分に美しい

しかし、その割には情報量があり、視聴するテレビの画面サイズがあまり大型でなければ十分な画質で再生できる。ただ、全体にコントラストは低めで、もう少し映像にシャッキリ感が欲しいところではある。

だが、このカメラにとってのポイントはそこではない。屋外で使うことが多いビデオカメラにとって、タフネス仕様が標準となっているのは大きな魅力だ。

しかも使い勝手は普通のビデオカメラ並み。この辺りは使い勝手に難があるアクション系カメラとは大きな違いだ。これが代え難い魅力となっているのは確かだ。

気軽にカバンの中に入れておき、チャンスがあれば周囲の状況を顧みることなく撮影ができる。そんな使い方こそ、本機ならではの魅力なのだ。