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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第146回】「ポタ研2016冬」を、高橋敦の個人的すぎるベスト5で振り返る

2016/02/16 高橋 敦
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【第1位】ORB「Clear force FitEar」がまさに個人的によい!

ORBからはイヤホン用リケーブルシリーズ「Clear force」に新たに追加された、「FitEar」向け端子採用モデルが展示されていた。

こちらは2.5mm/4極バランス駆動プラグモデル(税抜2万2000円)

こちらは普通の3.5mmミニプラグ(税抜2万2000円)。他、6.35mm標準プラグモデルも用意(税抜2万4000円)

純国産高純度銅線を使用し、自社工場にてマイスタークラフトマンが手作業で半田付けという逸品だ。

ケーブルは太めなのだがしなやか。耳にかける部分はいわゆる「針金なし」なのも、個人的には扱いやすい。ケーブル本体の太さと適度な重みによるテンションのおかげで、針金なしでもほどよく耳にフィットする。なおしっかりフィットがお好みの方に向けて、その部分に追加装着できるイヤーハンガーも付属する。

加えて、個人的にユニバーサル型イヤホンでいちばんお気に入りのFitEar「fitear」とは音の相性も、会場での短時間での試聴レベルではあるが、良好に感じた。女性ボーカルやハイハットシンバルに少しの湿度を与えて艶やしっとり感を、ファンク系のベースからは音楽的に心地よい適正なブーミーさを引き出してくれる(僕は普段は普通にシングルエンド駆動なのでそちら=3.5mmミニプラグモデルでの印象)。

つまり、僕にはfitearが最高!なのでそれにフィットするケーブルも最高!という、特に極めて個人的な理由でのベスト1!

ついでに触れておくとユニバーサル型イヤホンといえば、今回の新製品ではないが発売が近いはずのJH Audio「TriFi」も、ポタ研とは別の機会だが聴くことできて好印象だった。我が家の中高域番長fitearに対抗できる中低域番長な逸材かも…という気配だ。高域も弱いわけではなく、シュパッ!とかではない、ちょいほぐれたシャープさみたいな感じで聴きやすい。

【番外編】Music with 規格外

…ということでポタ研2016冬レポートをお届けした。1位・2位の「個人的」っぷりがいつにも増している感じはあるが、これはそういう企画だから…この人そういう人だから…と諦めてほしい。

では最後に、もはやベスト何位とかいう枠には入れにくい独自空間、Music with 規格外ブースのあれこれをだだだっと紹介しつつおわかれしよう。

前回のヘッドフォン祭で度肝抜かれた全自作平面駆動ヘッドホンの最新版!

漆塗りとなり「細工物」感がさらに高まった


革手縫イヤーパッド。平面振動板に手巻きコイルを貼り付けたりハウジングを漆塗りしたりイヤーパッドを手縫いしたり、取得スキルが多すぎる!

振動板は前回の半紙から箔打紙に。金を打ち伸ばして金箔を作る際に使うあの紙とのこと。それら諸々の進化により、前回の味わい深い感触も残しつつ「普通にハイレベルすぎだろ!」という音に!


こちらはダイナミック型の自作!ハウジング部分だけでもすでに独特の雰囲気だが…

電動工具エアダスターガン等に使われるプラグをスチームパンクっぽい「外装として」流用したというプラグ部。その下の本来の接点自体には普通にオーディオ用の端子を使用


ポタアンだってもちろん自作。左に2本飛び出しているのは缶パッケージ型トランジスタ?と思いきや…

トランジスタに対抗するために開発された「ニュービスタ管」という真空管とのこと。なお頭が飛び出そうで飛び出てない電解コンデンサは単に「寸法ミス」とのこと。何…だと!?


一方こちらは普通に真空管を搭…いやこれもなんか違う…

VFD(蛍光表示管)で増幅しちゃった!とのこと。KORGのNutubeと同じ発想だがこちらのご当人はNutubeの話題を知らず、そしてこちらはまんまVFDそのものを流用してアンプにしちゃってる http://www.phileweb.com/news/audio/201501/22/15452.html


こちらはまた別の自作アンプの回路図。ポタ研後の懇親&研究会でプリント基板の配布等も行われていた

4つのトランジスタの配置など、基板レイアウトの美しさにも目を引かれる

高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi
趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。


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