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<山本敦のAV進化論 第83回>

専用の機材は不要! Xperiaでお手軽「バイノーラル録音」のススメ

2016/02/03 山本 敦
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次に家族にイヤホンを着けてもらって、向かい合わせに座った状態でギターを鳴らしながらバイノーラル録音した音源を聴いてみると、通常のステレオ録音よりも立体的でのびのびと開放的なサウンドが、下手くそなギターながらも感じられた。

■動画撮影+バイノーラル録音の組み合わせは相当リアル

「カメラ」アプリでのバイノーラル録音はもっとシンプルで、スマホにMDR-NC750を挿すだけで、他には特に設定すべき項目もない。「REC」を開始すれば、あとは自動的に全てのムービーの音声がバイノーラル方式で記録される。動画ファイルの形式はMP4。動画撮影時もイヤホンで音声をモニタリングできる。

撮影したムービーを、バイノーラル録音のサウンドと一緒に楽しめば、ディスプレイ上で再現される2Dの映像から、縦横・奥行き方向に広がる空気感のようなものが伝わってくるから不思議だ。なるほど、これに360度全周囲に広がるVR映像が加われば、あたかもその空間に自分が実在しているような感覚が相当リアルに伝わってくるのではないだろうか。

カメラアプリで動画を撮影。井の頭公園の空気もキャプチャーしてみた

録った音や映像はXperiaでモニタリングできるので、まわりの人々にバイノーラル録音の効果を試し聴きしてもらうこともできる。例えば海外旅行に出かけて、録った音声や動画を家族や友だちに披露すれば、これはかなりウケると思う。

NCイヤホンのマイクをバイノーラル録音にも活用するというアイデアは、ハイレゾ対応機を含むリニアPCMレコーダーや、“ミュージックレコーダー”「HDR-MV1」など、音を録るためのマニアックでユニークな商品も展開してきたソニーならではのものと言える。

MDR-NC750のマイクでも十分に“いい感じ”の音が録れる。だが、野外で録音すると、風が強い日には、マイク部分がむき出しになっているのでどうしても風切り音が入ってしまう。もし今後、Xperiaのバイノーラル録音機能にもっと陽が当たってニーズが高まれば、さらに改良を加えた“バイノーラル録音専用イヤホン”や、もっと細かく設定がいじれるレコーダーアプリを開発してもらえるかもしれない。

何はともあれ、まずは対応するXperia Zシリーズとイヤホンをお持ちの方は手元でぜひバイノーラル録音の効果を試してみてはいかがだろうか。

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