HOME > レビュー > 「PlayStation VR」発売間近、準備は順調! SCE吉田プレジデントが語る開発の裏側

<山本敦のAV進化論 第82回>

「PlayStation VR」発売間近、準備は順調! SCE吉田プレジデントが語る開発の裏側

公開日 2016/01/29 11:40 山本 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

「PS VRとPS4の開発はほぼ同時並行で進められました。商品としての発売はPS4が先行することになりましたが、本機には後からPS VRを迎えるため、いくつかの“仕込み”がされています。

一例を挙げるなら、PS4と同時に発売したレンズと撮像センサーを2基搭載する『PlayStation Camera』です。PlayStation Eyeは単眼のカメラユニットで“PS Move”の位置情報をXYZの立体座標で取るため、“ボールの大きさ”で距離を測っていましたが、PS4のシステムではVRヘッドセットやデュアルショックに搭載されているLEDを2眼式のPlayStation Cameraでキャプチャーして、より正確な奥行き情報を素速く取得できます。

PlayStation Cameraが二眼式なのは奥行き情報をより正確に計測できるようにするためだった

そしてもう一つ、PS4はシステムソフトウェアのアップデートにより、通常の60fps表示に加えて、120fps表示にも対応しました。なぜならVRヘッドセットでは非常に速いスピードでスクリーンの描画を行う必要があるためです。PS VRに接続した際には、自動的に120fps出力に切り替わります」(吉田氏)


吉田氏はVRディスプレイに表示する映像のリアリティを決定付けるのが、この120Hzのハイフレームレート表示であると強調している。

「VRコンテンツのリアリティは、見た目の精細感による所も大きいのですが、一方では人工的で現実には有り得ないような世界を描いたとしても、これが非常に『Believability』(信用性)の高いものであれば、自然な没入感を得ることができます。そのためにはユーザーが向いた方向に合わせて、映像や音をスムーズに遅延なく再現できる性能が必要です。

PS VRのディスプレイを120Hz駆動としている理由がここにあります。VRヘッドマウントディスプレイの場合、表示遅延が20ms未満になるとほとんどの人が現実世界の表示と区別がつけられなくなるという研究成果もあります。PS VRでは実測値で『18ms未満』の表示遅延を達成しました。

当たり前だが上下左右、背後まで360度すべてにVR空間が広がっており、プレーヤーの動きに連動して景色が変わる。この際の視点移動での没入感を高めるために低遅延を追求した

あとはいかに映像を美しく表示できるかという観点から、クロストークを低く抑えるために有機ELを採用しました。しかも1,920×1,080ドットの全画素に対して、RGBの各色で発光する有機材を使った3サブピクセル型のデバイスを使っているので、より鮮やかで高精細な表示が可能です」

■VRコンテンツの製作には「体験をデザイン」する視点が大切

PS VRと同時に発売されるゲームタイトルの数や内容についてはまだ明らかにされていない。あるいはゲーム以外にも、VRならではの視覚体験を活かした映画やドラマのような、ピュアな映像コンテンツも用意されるのだろうか。吉田氏に訊ねた。

次ページVR空間の中のオブジェクトに触れることの気持ち良さ

前へ 1 2 3 4 5 6 7 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE