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【レビュー】ボーズQCシリーズを10年使った筆者が体感。「QuietComfort 25」の真の価値とは?

2015/07/15 山本 敦
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ボーズ ノイズキャンセリング・ヘッドホンの歴史

ボーズがアクティブ・ノイズキャンセリングヘッドホンの歴史を切り拓いた起点は、古く1970年代後半にまで遡ることができる。当時、ブランドの創業者であるアマー・ボーズ博士が飛行機に搭乗した際にノイズキャンセリング技術の基本コンセプトと数学的な根拠を導き出したことが、パイロットの耳を保護するノイズキャンセリング・ヘッドセットの開発に続いていった。

屋外環境の騒音を本体に搭載するマイクで集音して、その逆位相の信号でノイズを打ち消すというアクティブ・ノイズキャンセリング技術を搭載するヘッドセットは、その後もジェット機のパイロットやF1のピットクルーなど、特殊な騒音環境に置かれているプロフェッショナルから絶対的な信頼を獲得してきた。

その長年の成果を元に、2000年にコンシューマー向けノイズキャンセリング・ヘッドホンとして「QuietComfort」が誕生した(日本での発売は2001年)。

飛躍的な進化を遂げた現行最新機種「QC25」

筆者は2005年に発売された「QuietComfort 2(QC2)」のシルバーモデルを長らく愛用してきた。手に入れることになった決め手は、抜群のノイズキャンセリング性能に加えて、サウンドが好みにフィットしたことも理由だが、もう一つに装着感が抜群に良かったからだった。

QuietComfort 2(シルバー)

当時はオンイヤータイプの「QuietComfort 3(QC3)」も発売されていたので、どちらにしようかさんざん悩み抜いた末、最終的には充電式バッテリーの「QC3」に対して、単4乾電池1本で駆動する「QC2」の方が、外出先でバッテリーが切れた時にもコンビニなどで調達できるので、何かと不自由しないだろうと考えた。

QC2は最近でも時々引っ張り出して使っているが、購入した時から唯一気になっていた点が、本体の電源がオフになると音楽が聴けなくなってしまうこと。ヘッドホン内部の電気回路をスルーして出力する機能がないのだ。そのため、QC2を持ち歩く時にはいつも、バッグやキャリングケースの中に単4乾電池の予備を忍ばせている。

2009年発売の後継機「QuietComfort 15」でも、残念ながらこの課題が克服されることがなかったのだが、2014年秋に発売された、現行最新機種の「QuietComfort 25(QC25)」では電源オフ時のスルー出力に対応しただけでなく、数々の飛躍的な進化を遂げた。

QuietComfort 25(ホワイト/¥35,000・税抜)

>>ボーズ製品サイトはこちら


QC25はアラウンドイヤースタイルの密閉型ハウジングの内側・外側の両方に小型集音マイクを付けることで、ノイズ除去効果を従来のモデルよりも一層高めている。長時間リスニングにも聴き疲れしないよう音響特性を最適化する「アクティブ・イコライゼーション」や、ハウジングの最適な位置に小さなベンチレーションを設けることで、バランスの良いサウンドを実現する「TriPortテクノロジー」など、ボーズが長年の間に築き上げてきたヘッドホンのための高音質化技術も継承されている。

イヤーカップは本機のため独自に設計されたもので、クッション性の高いイヤーパッドやヘッドバンドが長時間リスニング時の負担を軽減してくれる。実際にQC2を長年愛用してきた筆者は、QC25に初めて触れた時、音楽を再生する前に先ずは装着感の良さに驚いた。ここにはボーズが長年培ってきたヘッドホンリスニングのための知見が活かされている。

クッション性の高いイヤーパッド

ヘッドバンドは長さの調節が可能

ヘッドバンドは驚くほど柔軟で、長さは余裕をもって調節できる。イヤーパッドはクッションの柔らかさもさることながら、夏場は特に気になる汗濡れに強く、汚れも付きにくい。シリーズ名の一部である“コンフォート”は、本機を長く愛用するほどに強く実感として伴われてくる。

QuietComfort 25(ブラック/¥35,000・税抜))

カラーリングはカジュアルでファッションにも合わせやすいホワイトのほか、シックなブラックの2色を用意。今春には日本限定のカラーバリエーションである「SUMI」と「MAKI-E」が発売された(関連ニュース)。

約1.4mのケーブルは本体着脱式で、ホワイトモデルは鮮烈なターコイズブルーにカラーリングされている。インラインには3ボタン式のマイク付きリモコンを搭載した。アップル製品対応モデル、またはAndroidスマートフォン対応モデルが選べる。

約1.4mのケーブルは本体着脱式

3ボタン式マイク付きリモコン

電源には、QC2やQC15と同じ単4乾電池を採用。アルカリ乾電池で最大約35時間の連続リスニングが可能になる。ヘッドホンはコンパクトに折り畳んで、本体のメインカラーに合わせたキャリングケースに収納して持ち運べる。飛行機での移動が多いユーザーのために、独自のデュアル/シングル変形タイプの航空機変換プラグが付属品として同梱されている。

電源には単4乾電池を採用

付属品としてキャリングケースと航空機変換プラグを同梱

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