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【特別企画】OPPO連続レビュー 第1回

“4極グランド分離出力”はなぜ高音質なのか? OPPOのポタアン「HA-2」とヘッドホン「PM-3」で検証

2015/05/13 山本 敦
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■OPPOの先進技術を詰め込んだ“ポケットアンプ”「HA-2」

4極バランス分離出力について詳しく紹介する前に、HA-2の仕様も確認しておきたい。HA-2はOPPO初のポータブルヘッドホンアンプだ。その薄さと軽さは、一見するとレザーケースを装着したスマートフォンと見間違うほど。このサイズ感は“ポケットアンプ”、あるいは“ポケットDAC”と呼んだ方がしっくりとくる。

HA-2は11.2MHz DSD、384kHz/32bit PCMのネイティブ再生に対応したUSB-DACを内蔵する

DACには、同社製BDプレーヤーにも採用されてきたESS社のチップを使っている。OPPOとESS社は米国の開発拠点が近いこともあり、音づくりの面でも密接に連携しながら開発ができる点が強みだという。HA-2にはESSのモバイル向けDACチップとしては最上位モデルにあたる「ES9018K2M」を搭載。その性能をフルに引き出すことで、11.2MHzのDSD、384kHz/32bitのPCMがネイティブ再生も可能だ。

HA-2はポータブルサイズのUSB-DACとして、PCだけでなく様々なモバイルデバイスと接続して、ハイレゾを含むデジタル音源が再生できる。USB-OTG/USB Audio Class 2.0に対応するAndroid端末、ハイレゾ対応ウォークマンは、それぞれ専用ケーブルで接続することで、デジタル接続によるハイレゾ再生環境ができあがる。iPhoneやiPadは付属のUSB-Lightning変換ケーブルを介してHA-2に直に接続でき、最大384kHz/32bitのPCM、5.6MHz DSDの音源が再生可能。多くのハイレゾ対応ポタアンとiOS機器をつなぐ場合に必要だった変換アダプターやカメラコネクションキットを使わなくても良いところがメリットだ。ほかにもアナログ入出力を備え、薄くて軽いアンプなのに1台でオールマイティーな使い方ができる。

まさに手のひらサイズのHA-2。レザーカバーで手の中の収まりも良い

HA-2は底面部にUSB-A端子、USB-micro B端子を搭載する

ヘッドホンアンプにはTI社のオペアンプ「OPA1602」、ならびに「OPA1662」を用いて差動増幅回路を構成。さらに同社のヘッドホンアンプIC「TPA6120」とAB級電流増幅トランジスターを搭載するアナログアンプ設計としている。出力段にもペアマッチを図りながら選別したパーツを使うことで、出力信号のパワーと品質の両方を徹底的にケアしている。

本体には3,000mAhの大容量バッテリーを内蔵。USBデジタル入力時で約7時間、アナログオーディオの入力では約13時間の連続駆動を実現している。内蔵バッテリーはOPPO独自のVOOC高速充電技術により、本体に同梱される高速充電器を使えば30分間で約70%、約1時間半でフル充電にできる。さらに本体からスマホに給電ができるモバイルバッテリーとして活用できるので、アウトドアでもスマホのバッテリー残量を気にすることなく音楽リスニングが楽しめる。

そしてHA-2が、今回の記事のメインテーマである「4極グランド分離出力」に対応した点も見逃せない。より高品位な音楽リスニングが楽しめる「4極グランド分離出力」とはどのような方式なのか。その特徴や音質にもたらす効果について、次頁から深く掘り下げてみよう。

次ページ「4極グランド分離出力」と「バランス出力」は何が違うのか?

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