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高橋敦が徹底レポート

フィリップス「A5-PROi」レビュー − “DJヘッドホンだからこそ高音質”の理由とは?

2014/10/24 高橋敦
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フィリップスのプレミアムDJヘッドホン「A5-PROi」を高橋敦がレポート。様々なジャンルの音楽を試聴しながら、DJヘッドホンという枠を超えた高い再現性を誇るA5-PROiの魅力の本質を分析していく。

PHILIPS「A5-PROi」

DJヘッドホン=低音という誤解

近年のフィリップスは常に高い水準のヘッドホン&イヤホンをリリースしてきた。Fidelioを含めたハイエンドラインから、SHE9710のようなエントリーラインにいたるまで、オーディオファンにとどまらない多くのユーザーから支持を得ている。

今年8月に登場したA5-PROiもその例にもれない製品であるが、一方で「DJヘッドホン」と聞くと、オーディオ的にはネガティブなイメージを抱く方もいるかもしれない。いわゆる“DJヘッドホン”と呼ばれる製品の中には、低音過多なモデルや、低音の質が微妙なものが少なからずあるからだ。本来はDJヘッドホン=低音ではないのだが・・・。

A5-PROiは、いわゆるDJヘッドホンのイメージとは一線を画すサウンドを備えている

しかし、さすがフィリップス。「A5-PROi」はこうしたDJヘッドホンに対するイメージを払拭する真っ当なまでの高音質を備えている。むしろ「DJヘッドホンだったら自分の好みの音とはちがうだろうな」と思った方こそ、実際にこの音を聴くとより深く感心するかもしれない。そんなヘッドホンなのである。

DJ向けの仕様が日常的な用途にも役立つ

まずは基本情報と使い勝手をチェックしておこう。A5-PROiは、フィリップスが世界的なトップDJであるArmin van Burren氏との協力で開発した密閉型ヘッドホンだ。もちろんDJヘッドホンとしての完成度も高い。しかもDJヘッドホンとしての長所が、そのまま一般ユーザーにとっての長所にもなっている部分も多い。

DJプレイ時の片耳モニタリングのためにハウジングは90度回転。それを利用しての折り畳み機能も秀逸で、まるでアルマジロのように綺麗に小さく丸まる。プロの道具としての耐久性や剛性の手応えもある。おかげで一般ユーザーにとっても扱いやすい。着脱式ケーブルは左右どちらのハウジングにも接続可能。これもプレイ時の利便性を考えての機能だが、リモコン付きケーブルのリモコンを左右どちらの手で操作したいかによって接続の左右を選べるので、普段使いにおいても便利だ。

ハウジングは90度回転。片耳モニタリングにも対応

折りたたむと写真のようにコンパクトになる


ケーブルは左右のハウジングの好きな方に接続できる

ヘッドバンドやヒンジの作りも堅牢だ

ステージパフォーマンスに使うアイテムには見栄えのよさも求められるが、A5-PROiはそれにも応える。ボディは硬質アルマイト仕上げを施したアルミ製で、頑丈と共に質感も伴っている。この質感は例えるならば、iPhone 5はブラックの仕上げが剥げて金属の地金が見えてきたりするとそれがまたかっこよかったりする、あの雰囲気も漂わせている。テスト機で実際に試すわけにはいかないので想像だが。

次ページ特筆すべき低域の再現性と立ち上がりの良さ

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