HOME > レビュー > パイオニア初HPアンプ内蔵USB-DAC「U-05」×人気ヘッドホンスクランブルテスト!

ゼンハイザー/SHURE/ベイヤーダイナミックの人気機種と組み合わせ

パイオニア初HPアンプ内蔵USB-DAC「U-05」×人気ヘッドホンスクランブルテスト!

公開日 2014/07/24 12:32 岩井 喬
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
満を持して登場!パイオニア「U-05」
同社技術の集大成とも言える高CPモデル

いよいよパイオニアからヘッドホンアンプ内蔵USB-DAC「U-05」が満を持して発売となる。ネットワークプレーヤーの大ヒットモデル「N-50」や「N-30」、USB-DAC機能を持たせたプリメインアンプの上位モデル「A-70」など、これまでもネットオーディオ分野に親和性の高い製品群を送り続けてきたパイオニアであるが、他社が力を注ぐ単品USB-DACに関しては驚くことに今回が初となる。

U-05

しかもフロントパネルに設けられた端子群が主張するように、4ピン、3ピンXLRによるバランス駆動にも対応したヘッドホンアンプも内蔵しており、パイオニアの本気度がうかがい知れる。パイオニア開発陣としても、後発であるからこそ、競合他社に負けない個性と実力を持つ製品を作り上げなければならないと考えていたようで、昨年末あたりから本格的にプロジェクトがスタート。それ以前から構想はあったと思われるが、バランス駆動対応などを含め、基本的構成が明確になったのは今年の春前だ。

4ピン、3ピンXLRによるバランス駆動にも対応したヘッドホンアンプも内蔵

ピュアオーディオの分野に比べ製品スパンの早いUSB-DAC分野においては開発スピードの短縮も求められる。初めての挑戦であるにも拘らず、製品のロールアウトまで時間がないという非常に困難なプロジェクトでもあったのだ。


ESS社製8ch DAC 2基を左右パラレル駆動
「ES9016」はパイオニア用の特別スペックのものを使用

では改めてU-05について、解説していこう。構成上最も大きなポイントといえるのが心臓部となるDAC部だ。DACチップにはESS製「ES9016」をチャンネル当たり1基ずつ搭載しているが、ES9016の内部は8回路分のD/Aコンバーターが構成されており、本機はこの8回路分をパラレル駆動させ、S/Nの向上に結び付けている。

DACチップにはESS製「ES9016」をチャンネル当たり1基ずつ搭載。8回路分をパラレル駆動させ、S/Nの向上に結び付けている。

USB入力は最高384kHz/32bit PCM&5.6MHz DSDに対応しており、高精度クロックを用いた非同期のアシンクロナスモードによる低ジッター伝送を実現。Windows環境でのDSDネイティブ再生にはASIO2.1を用いるが、Mac環境ではDoP方式の枠組みではあるが専用ドライバーによる独自手法を利用する。これはASIOを利用できないMac環境でもより安定的なネイティブ再生を実現させるため、見かけ上ASIOのようなふるまいをする伝送を実現する手法だ。

Mac側と本機との間で予めDSD専用ルートを確保し、お互いにDSD信号を送受信できる環境を整えてから実際のデータ伝送を行う。そのため多くのUSB-DACを標準ドライバーのまま使用できる利便性の高いMac環境であるが、本機の場合はWindows環境と同様に専用ドライバーをインストールしてから接続を試してほしい。

ちなみに「ES9016」は本来384kHzまでサポートされてないのだが、これまでAVアンプやA-70などのデジタル製品でESS製チップを導入してきたパイオニアとESSとの間の強固なパートナーシップによって、本機に積む「ES9016」は型名こそ同じだが、特別に384kHzサポートを実現しているとのこと。

デジタルフィルターについてもPCM系で『SHARP』『SLOW』『SHORT』の3種類、DSD系では可聴帯域外となる超高域における3種類の減衰特性パラメーターが用意されている。なかでもPCM系の『SHORT』はパイオニアが長年培ってきたデジタル技術の成果としてAVアンプにも採用されている独自パラメーターだ。

次ページ他社にはないユニークな「ロックレンジアジャスト」機能とは

1 2 3 4 5 6 7 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE