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【特別企画】OPPO「HA-1/PM-1」徹底検証<第2回>

OPPOの平面駆動ヘッドホン「PM-1」レビュー。バランス駆動やアンプ組み合わせなど徹底検証

公開日 2014/07/29 10:39 岩井 喬
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OPPOからついに登場したUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ「HA-1」と平面磁界駆動型ヘッドホン「PM-1」を岩井喬が全2回にわたってレビュー。第2回目は革新的な平面磁界駆動方式を採用したヘッドホン「PM-1」を様々な角度からレポートしていく(編集部/トビラ写真:田代法生)

※<第1回>OPPOのUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ「HA-1」のレビューはこちら

■PM-1が採用する平面磁界駆動型の優位性とは?

高音質・高機能・高C/Pの三拍子が揃ったUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ「HA-1」に続き、今回はOPPOとして初のヘッドホン「PM-1」について詳しく触れていこう。BDプレーヤーなど、送り出し側のハードウェアについては実績のあるブランドであるが、トランスデューサー(スピーカーなどの変換器)として初めてのプロダクトとなるPM-1は、一般的なドーム形状振動板によるダイナミック型ではなく、平面磁界駆動方式を採用していることも大きなトピックである。

OPPO「PM-1」¥OPEN(予想実売価格150,000円前後)

平面磁界駆動方式はここ数年国内外から発表が相次ぎ、高級機においてひとつのトレンドとなっている。ドーム型振動板は、通常のスピーカーと同じく振動板はエッジで支持され、中心部にボイスコイルの一方が接着されている。この接着部が上下に振動し、振動板を揺らして音を出すのである。しかし、エッジ部に到達した振動が折り返して中心部に戻る挙動と、新たな振動で生まれる振幅が干渉して分割振動を起こし、歪みや再生帯域のピーク・ディップを生んでしまう。

しかし平面駆動の場合、振動板はフラットな状態だ。コイルをこの平面振動板に貼り付けており、磁界の中を全面同相で振幅させるという構造である。そのため、ドーム型振動板で問題となった分割振動が起きないこと、共振点の分散化といった効能があり、癖のない素直な周波数特性とアタック&リリースのスムーズなサウンドを実現できるのだ。またボイスコイルにつきまとうインダクタンス起因の混変調歪みも排除できるため、アンプ側から見てヘッドホンを純粋な抵抗とみなすことができ、そのことがサウンドの素直さにも繋がっている。

<1>「PM-1」のスペックをチェックする

■7層構造の振動板による独自の平面磁界駆動法式を採用

この平面磁界駆動方式を採用したPM-1にはどのようなこだわりがあるのか、具体的に見ていこう。PM-1はそのフォルムからして、昨今主流となっている平面駆動型タイプと比較して大幅にコンパクトであるのが印象的だ。振動板は楕円形状の平面薄膜ポリマー素材を用いており、寿命や信頼性、音質といった各項目に留意した7層構造となっている。この振動板の両面に、コイルとなる渦巻き形状のアルミ導体をエッチング。ネオジウムマグネットによる高磁束密度を達成する磁気回路は振動板を挟み込むよう配置され、理想的なプッシュプル動作を実現した。

「PM-1」は平面駆動型としては非常にコンパクトなボディを持つ

ケーブルは両出しタイプで、着脱が可能となっている

PM-1では、この振動板を駆動させる磁気回路にも様々な工夫が施されている。次項ではその詳細を見ていきたい。

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