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<山本敦のAV進化論>第10回

4K試験放送は結局どんな内容に? ー 詳細や今後の戦略をNexTV-Fに聞く

2014/05/28 山本 敦
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次世代放送推進フォーラム「NexTV-F」による4Kテレビ試験放送「Channel 4K」が6月2日に始まる(関連ニュース)。間近に迫った開局を前に、フォーラムの元橋氏に4Kテレビ試験放送の詳細と今後の展開への見通しについて話を伺った。

NexTV-F 元橋氏

■「Channel 4K」を視聴するために必要な環境とは?

まずは新チャンネル「Channel 4K」のサービスについて内容を簡単に振り返ろう。Channel 4Kは、スカパーJSATが使用する124/128度CSデジタル放送波を使って、6月2日13時から放送がスタートする。チャンネル番号は「502」。放送を視聴するためには、Channel 4K対応受信機からの出力が受けられるHDMI2.0、およびHDCP 2.2に対応する4K対応テレビのほか、チューナーを内蔵する受信機とスカパー!ICカード、ハイスピードHDMIケーブル、124/128度CSデジタル放送対応のアンテナが必要になる。

「Channel 4K」のロゴ

映像フォーマットは4K/60p/35Mbpsで、エンコード方式はHEVC。色域はBT.2020、符号化信号形式はYCbCr 4:2:0が採用された。一方の音声側はMPEG-2 AACで、最大5.1chのサラウンドフォーマットをサポートする。5.1ch時の最大ビットレートは約500kbps。

映像圧縮以外のほぼ全ての技術仕様はスカパー!による124/128度CSデジタル放送の技術仕様を踏襲している。元橋氏は「何もかも新しい仕様にしてしまうと、送り側・受け手側ともに対応しきれなくなります。極力短期間で4K試験放送開始にこぎ着けるという至上命題があったため、映像圧縮方式以外は既存技術をそのまま使うことにしました」と、その理由を明かす。

HEVCコーデックは、潜在能力として4K/60pで最高25Mbpsまで圧縮可能であると理論上は言われているが、「初期段階なので映像に割くビットレートを多めにしましたが、それでもチューニングは大変でした」と元橋氏は振り返る。

Channel 4K対応チューナーを内蔵する受信機は、先日シャープから録画機「TU-UD1000」が発表された(関連ニュース)。またソニーも今秋までの専用チューナーの商品化を発表している(関連ニュース)。

ソニーの4Kチューナー製品イメージ

シャープ「TU-UD1000」

そして受像器であるテレビの側にも4K/60p信号を通すことのできるHDMI2.0への対応、およびHDCP2.2の著作権保護技術に対応することが求められる。これを受けて、ソニーは国内で発売してきた4Kテレビ製品の対応状況、および未対応製品のアップデートに関連する計画を発表したのだが(関連ニュース)、他の4Kテレビメーカーからも今後同様に、非対応の4Kテレビに対するアップデートサービスが行われるのか注視していきたい。

4K試験放送に必要な環境(シャープによる説明)

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