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マニア垂涎の2モデルの効果と実力を集中レポート

エソテリックのマスタークロックジェネレーター「G-01」&「G-02」を徹底検証

2014/05/21 鈴木 裕
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エソテリックのマスタークロックジェネレーター「G-01」と「G-02」を、実際に同社のディスクプレーヤーと組み合わせて、鈴木裕氏が試聴。その音質向上効果を具体的に検証した。

G-01(右)とG-02(左)

■試聴に組み合わせた機材
エソテリックのセパレートアンプとTANNNOYのキングダム・ロイヤルを組み合わせ

今回は、エソテリックのディスクプレーヤーを中心としたオーディオシステムにG-01とG-02が加わることによって、ハイファイ性能や音楽表現力がどう変化、向上するかをテストした。機材はまずスピーカーがタンノイのキングダム・ロイヤル。伝統のデュアルコンセントリックドライバーにスーパートゥイーターとサブウーファーを付加した4ウェイの、超ワイドレンジの性能だ。ただし、中域の濃い、音楽表現力の高いスピーカーでもある。アンプはC-03+A-02。C-03は高品位なプリアンプで、要となる音量調整にはTI社バーブラウン製のボリュームコントロールアンプを完全にデュアルモノラルとして採用している。A-02は音楽が生まれる瞬間の熱気をレコーディングスタジオからリスニングルームへ届けようという思想のもとに、実際にスタジオ等での試用も含めて開発された200W×2(8Ω)のパワーアンプだ。

組み合わせるスピーカーシステムはTANNOYのキングダム・ロイヤルを用いた

テストはSACD盤(インバル指揮チェコ・フィル『マーラー 交響曲第5番』など)とCD盤(エリック・クラプトン『アンプラグド』など)をそれぞれにクロックの周波数を変えながら聴いていったが、総合的な印象をまとめていこう。

■K-03+G-02の組み合わせ試聴
接続してすぐに効果を発揮し「味」さえ感じさせてくれた

まずK-03単体の音を聴き、続いてG-02を接続。クロック周波数を、44.1、88.2、176.4k、そして10MHzと上げていった。

G-02(手前)とK-03(奥)

まず驚いたのはK-03単体の音を聴いた後、G-02を接続して44.1kHzのクロックを入れて聴き始めた時だ。G-02アリの方が音像の実体感や空間の奥行き、センターの音場空間の濃さ、さらに低音のグンッと重心が下がってよく鳴る感じなど、余りに多岐に渡って良くなっている。点数で言えば単体の80点に対して、いきなり95点という感じだ。精度の数字としては単体の±0.5ppmから±0.01ppmと、50倍のクロック精度の差が素直に出てしまっているようだ。ちなみに筆者はK-03のオーナーでもあるので、当然心穏やかではない。

そして興味深いのはクロック周波数によって音の精度の違いも出るが、同時にある種の「味」を感じさせてくれる点だ。44.1kHzから88.2kHzに上げるとよりフォーカスが合い、演奏のニュアンスが良く出るようになるのだが、どことなく音の感触がしなやかになる傾向を感じた。60〜70年代のジャズだと44.1kHzの方が好きな方が多いかもしれない。あるいは176.4kHzのクロック周波数では音の背景が静かになり、ダイナミックレンジが増したかのような感覚もあったが、押し出しの良さという点では44.1kHzや88.2kHzの方がいい。10MHzのクロック入力ではコンサートホールの空間が広くなったように感じ、壁の存在とそこに反射する音のニュアンスまで出てくる。同時に有機的な音楽のノリとか音のつながりの良さも魅力的だった。

総じて言えば、K-03の端正でアキュレートな音調のためか、G-02のクロック入力のクオリティが素直に再生音に反映されている印象だ。

次ページK-01+G-01の組み合わせで試聴

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