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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第84回】燃え上がれ俺の小宇宙! フィリップスの「ゴールデンイヤー検定」に挑戦してみた

2014/05/02 高橋敦
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■高橋敦のセブンセンシズ目覚める − 今回はゴールデンイヤー検定に挑戦!

イヤホンやヘッドホン、ワイヤレススピーカーといったパーソナルオーディオの分野で、近年その存在感を増しているブランドのひとつがフィリップスだ。

いや、フィリップスといえば1891年に創業されたという、伝統ありすぎな超有名総合電機巨大多国籍企業。オーディオビジュアルの分野でもCDを筆頭に様々な重要標準規格の策定、その中核技術の提供など、大きな役割を果たしてきた。しかしここ日本ではシェーバー等の生活家電ブランドとしての知名度が突出しており、オーディオビジュアルブランドとしての存在感は正直弱かった。

しかし近年、オーディオ部門に新たに立ち上げたプレミアムブランド「Fidelio」(フィデリオ)の各モデルを日本市場でも積極的に展開。それらが高い評価を得ることで、オーディオブランドとして改めて注目を集めているわけだ(なお、本年4月28日付けで米Gibsonがフィリップスのオーディオ/ホームエンタメ事業を買収したことが発表された→詳しくはこちら)。

Fidelio S2。実売目安1万1810円という価格にして十分すぎる満足度を与えてくれるイヤホン

Fidelio P9。実売目安2万6230円のBluetoothスピーカー。整えられた聴きやすいハイファイサウンド

■フィリップスの音を司る「ゴールデンイヤー」とは?


世界に57人しかいない“ゴールデンイヤー”の1人である、Matthew Dore(マシュー・ドーレ)氏の来日時の1枚
さて、その「Fidelio」を筆頭に近年の同社オーディオ製品のクオリティを高いレベルに引き上げてそれを堅持させている要素のひとつが、同社の誇る「ゴールデンイヤー」という人材、それを育成し製品開発に生かすシステムだ。

この「ゴールデンイヤー」とは、フィリップスが育て上げそして認めた「ブラインドテストのエキスパート」のこと。ブラインドテストとは、例えばふたつのイヤホンを、どちらが開発中の同社新型機でどちらが競合となる他社機かわからないよう、目隠しなり何なりをして聴き比べる等のテスト。先入観等の入る余地をなくし、純粋に音を比較評価するためのものだ(ゴールデンイヤーについてくわしくはこちら)。

フィリップスではそのブラインドテストを、製品開発の途中に何度か実施する。それに参加した複数名のゴールデンイヤーの多くが開発中の製品の優位を確認しないと、次の開発段階には進めないというのだ。

ということなのでゴールデンイヤーの役割は大きく重いのだが、となればそのゴールデンイヤーはどのように育成されているのだろうか?

実は同社は、ゴールデンイヤーを育成するプログラムとテストを独自に開発し、それをソフトウェアとして完成させている。おおよそとしては、画面の指示に従ってトレーニングプログラムを進めていき、それを終えると到達度を確認するチャレンジテストとなり、それをクリアするとレベルが上がるという流れだ。そのレベルは…

レベル1、ベーシックレベル!
レベル2、ブロンズイヤー!
レベル3、シルバーイヤー!
レベル4、ゴールデンイヤー!


何この「この世に駄耳がはびこるとき必ずや現れるといわれる希望の存在」的な設定!

…という毎度長い前振りが終わったところで本題だが、そのゴールデンイヤーを育成&認定するプログラムとチャレンジの一般ユーザー向けバージョンがウェブで公開された。それに挑戦しつつどんなものなのか紹介してみようというのが今回の企画だ。燃え上がれ俺の小宇宙!

というわけで以下のサイト「PHILIPS − Golden Ears」にアクセス!
https://www.goldenears.philips.com/

各タブでゴールデンイヤーについての説明等があるが、今回はすっ飛ばしていちばん右の「LETS BEGIN」からトレーニングとチャレンジを開始

次ページチャレンジの前に − 高橋敦によるゴールデンイヤー検定の手引き

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