USB-DAC、ヘッドホンアンプのサウンドを検証

デノン初の単体USB-DAC「DA-300USB」を高橋敦がレポート

高橋 敦

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2014年01月31日
■ライン出力の音質は立体感に優れ、デノンらしい重厚さと緻密な質感が同居

まずはDA-300USBのライン出力からプリメインアンプ+スピーカーのシステムに組み合わせて音質をチェックした。プリメインアンプにはACCUPHASE「E-600」、スピーカーシステムにELAC「FS247 BE」を用いた。


スピーカー+プリメインアンプのシステムでライン出力のサウンドを確認
そのサウンドは、デノンらしい重厚さと、AL32の効果なのだろう、綺麗に整えられた高音や響きの成分が同居したものだ。アンプとスピーカーの力を土台に、システム全体の音調に「よい仕上げ」を与えてくれる、という印象を受けた。

細かな成分やダイナミクスの精緻な再現によって引き出される、全体の立体感は本機ならではの大きな魅力だ。各楽器の距離感が手に取るように見える。ドラムスだけに注目してもその各パーツの位置関係、一打ごとそして一打の中での音色の抑揚が伝わってくる。

さらに声の再現は特筆に値する。女性ボーカルの柔らかくほぐれていくが、刺さらないけれどすっと綺麗に抜ける感触、質感や表情の描き込みは実に見事だ。

ベースやドラムスはゴツゴツさせない柔軟な厚みを持ち、しなやかなドライブやグルーブを生み出す。アタックや輪郭を強く出すタイトなハードタッチが好みの方には合わないと思うが、一方で聞き疲れのしない音楽的な感触を持っている。ピアノにも厚みがあり艶がある。

■組み合わせるモデルの資質を十分に引き出すヘッドホンアンプ

ヘッドホンアンプの音質はSHUREの密閉型ヘッドホン「SRH1540」と組み合わせてチェックした。ボリューム調整は-95dB〜0dBまで1dB刻みで滑らか。そのサウンドはライン出力と一貫した、ややソフトタッチで綺麗にほぐれた音調だ。それがSRH1540の硬質なシャープネスと巧く溶け合い、ガツンと来る迫力やシュパッとした切れ味もほどよく出してくれる。


DA-300USBのヘッドホン出力のサウンドに耳を傾ける高橋氏
例えばスネアドラムのバシンッという荒っぽいアタック、ライドシンバルの金属の薄刃さといった要素には、SRH1540の「らしさ」が現れている。組み合わせるヘッドホンの資質を存分に引き出すという、ヘッドホンアンプとしての役割を本機は十分に果たしてくれているわけだ。

一方でライン出力と同じく光る響きの立体感や声の素晴らしさは、本機の特にDACとしての性能が発揮されている部分だろう。ここは本機を選ぶ大きな理由になり得る。


縦置きにしてMac book Airと組み合わせたところ
定評ある製品のUSB-DAC部分を抽出してファインチューンした設計であるので、USB-DAC単体機としては初のモデルながら、さすがの完成度だ。高性能というだけではじなく、主張はしすぎずほどよい具合にデノンらしさを盛り込んだ音作りもさすが。「待たせたな!」の登場もこの出来映えなら文句なしと言えるモデルだ。

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