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マランツ「SA-14S1」と過ごした1週間 − 編集部・小澤が全機能を自宅レポート

公開日 2013/12/10 10:30 編集部:小澤貴信
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<2日目>USB-DACでハイレゾ音源を聴きまくる

すでに述べたように、本機はSACDプレーヤーであり、なおかつUSB-DACなのである。USB-DAC機能のクオリティについては、ネットワークプレーヤー/USB-DACの最上位機「NA-11S1」と同等のUSB-DACを搭載していると言えば、それ以上の説明の必要はないだろう。

CDもUSB-DACもデジタル入力もiPhoneもボタンひとつで切り替えられる

再生ファイルのスペックについては、192kHz/24bitのPCMに加えて、5.6MHzまでのDSD再生にも対応している。本機が1台あれば、今手に入る音楽ファイルは一通り楽しめてしまうということである。2日目はPCMのハイレゾ音源をSA-14S1でじっくりと聴いてみた。

かつて「NA-11S1」のUSB入力で再生したハイレゾ音源「ワルツ・フォー・デビイ」に度肝を抜かれた経験があり、それに匹敵する経験が自宅でできるのだろうかと胸が躍る。早速、普段e-onkyo musicやHDtracksなどで買いためたハイレゾ音源(ほとんどロックかポップス)を再生してみる。音場が狭い部屋いっぱいに広がって、音の消え入り際がとても繊細だ。最近は自分がハイレゾの良さを聴き分けられているのか自信を失っていたのだが、これなら一目瞭然である。特に印象的だったのがボブ・マーリーの「Waiting In Vain」(192kHz/24bit)。高域の伸びに加えて、レゲエ特有のベースがしっかり沈みつつ音の輪郭や質感をしっかり保っているのである。

192kHz/24bitのファイルを再生したときの表示

続いてCDリッピングの音源も聴いた。記者でもわかるS/Nの良さだ。スピーカーから音を鳴らすと、音のキレや瞬発力が際立って、なんだかアンプを変えたようだ。日常的に使っているDACの音も気にいっているのだが、このS/Nと解像感の高さは別格。ディスク再生と同じく、やはりiTunesで整理している音源を片っ端から聴き直したい衝動に駆られてしまった。

ここまで音のニュアンスの違いがわかると、同じ音源のハイレゾとCDリッピングで比較してみたくなる。ミックスが異なる場合もあるので一概に比較できないが、ハイレゾはやはり空気感が際立って演奏者との距離が近く感じる。ハイレゾで聴く意味が本当にあるのかと思いつつ買い集めた80〜90年代ロックのハイレゾ音源も、スペックの差をしっかり描き分けてくれるので感心した。

夜な夜な買い貯めたハイレゾをひたすら聴き直す。ハイレゾ再生に共通して感じた印象は、“ふわっと空間が広がる”感じ

おまけで、CD再生と、同じCDをリッピングした音楽ファイルの音を聴き比べてみた。あくまで印象だが、CDは音にまとまりと密度感があり、ファイルは良い意味で柔らかくて広がりのある感触。どちらが良いかは別として、SA-14S1ならディスクとファイルの聴き比べも簡単にできてしまう。

<3日目>USB-DACで再生した5.6MHz DSDに驚く

3日目はお待ちかねのDSDだ。本機のUSB-DAC部は2.8MHzに加えて、5.6MHzのDSDの再生も可能だ。ちなみに我が家のUSB-DACは192kHz/24bit対応だが、DSDには非対応。どうせDSDは音源が少ないと割り切っていたのだ。

DSD 5.6MHz再生時の表示(左)と2.8MHz再生時の表示(右)。5.6MHz再生時は2.8MHzより大きいという意味で「DSD>2.8M」と表示されるので注意

SA-14S1で聴くDSD 5.6MHzのサウンドはちょっと衝撃的だった。「NA-11S1」と同じUSB-DACを積んでいるということはある。アナログ部などもちろん差はあるはずだが、徹底的にノイズ対策が施されたこのUSB-DACで聴くDSDのサウンドは、まさにアナログライクというか、実在感に満ちている。

特に印象に残ったのは、e-onkyo musicで配信されているプエンテ・セレステ『NAMA ー生 ー』(5.6MHz DSD)だ。スピーカーで鳴らすと、月並みな表現だが、目をつむって聴くとまるで目前の生演奏を聴いているかのようである。自宅のB&W「CM5」からこんな音が出るのを聴いたのは初めてだった。

DSD音源はAudirvana Plusを使って再生。5.6MHzも問題なく再生できた

2.8MHz DSD音源のサウンドでも、やはりアナログ的な柔らかさと生っぽさが感じられる。ヘッドホンで聴いても同様だ。DSDをあなどっていたと反省。SA-14S1にDSDの素晴らしさまで教えてもらってしまった。

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