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サウンド・機能・使い勝手ともに本格派

AirPlayやネットワークオーディオを気軽に楽しめるハイコンポ「F109シリーズ」

公開日 2012/08/01 13:22 高橋 敦
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コンパクトなボディにデノンのオーディオ技術を注ぎ込んだハイコンポ、「F109」シリーズが登場した。核となるプリメインアンプ「DRA-F109」は高精度のデジタルアンプを採用。ダブルレイヤードシャーシや高剛性ヒートシンクによる頑強な構造など、音質の土台となる部分も堅実だ。

F109シリーズ

スピーカー出力の特性をシリーズのスピーカー「SC-F109」に最適化する「スピーカーオプティマイズフィルター」機能も搭載。理想的なウーファーの駆動を実現する。そのSC-F109はヨーロッパのサウンドデザイナーとデノンのエンジニアによるチューニングもポイントだ。

ネットワークオーディオプレーヤー「DNP-F109」は最新・万全のスペックを確保。FLAC/WAVの両形式において192kHz/24bitまでの再生に対応。その両形式では曲間に余計な無音を挿入しないギャップレス再生にも対応する。Apple Lossless形式にも後日のアップデートで対応予定だ。背面にUSB端子も搭載し、iPodの接続も可能だ。

スマートフォンアプリ「Denon Remote App」にも対応し、本機経由でプリメインアンプ「DRA-F109」とCDプレーヤー「DCD-F109」の操作も行える。

AirPlayを中心に試聴してみると、透明感のある高音と、量感を主張しすぎずバランスのよい低音に感心させられる。ジャズの静かな場面でのピアノの右手はやや硬質で水晶のような輝き見せ、シンバルも鈴鳴りの澄んだ響きを空間に広げる。歪んだエレクトリックギターのカッティングの、ジャキジャキという鋭さも良い。

低音側ではエレクトリックベースが、中心にしっかりとした音色の芯を持ちつつ、その周りに豊かな空気感をまとう。量感はほどほどだが、抜けがクリアでバンドに埋もれない音色でもある。このあたりはスピーカーオプティマイズフィルターも効果を発揮しているところだろう。

宇多田ヒカルのボーカルの描写も見事。例えば語尾で息を抜いて声を絶妙に掠れさせる様など、歌の表現を生かしてくれる。

機能面は全く文句なしであるし、丁寧に整えられたことがわかる音調も魅力的。コンパクトな本格派を求める方は注目してみて損はない。

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