HOME > レビュー > WireWorld新ケーブル「シリーズ7」 − その音質的魅力を探る

【特別企画】オーディオアクセサリー銘機賞2014 グランプリ受賞

WireWorld新ケーブル「シリーズ7」 − その音質的魅力を探る

2013/11/29 ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

シリーズ7の音質的な魅力
均一なレスポンスとスピード感
位相が揃いピントの合った再現性


シリーズ7はデジタル/ライン/スピーカーと3つのジャンルに展開されているが、特筆したいのは音調・再現性が見事なまでに統一されていることである。ジャンルを問わず、またベーシックモデルから最上位モデルまで、どの製品をとっても同じ音がする。違うのは情報量だけであって、これによってグレードが変わると考えていい。

スピーカーケーブルのラインアップ

少し注意しておきたいのはデジタルケーブルで、一般的な同軸構造ではなく、やはりDNA螺旋で設計されている。これできちんと特性インピーダンスが維持されるようにできているわけだが、相当な精度が要求されるはずである。それが達成されているのは音質に明らかで、少しのにじみも棘もなく、極めて平坦なレスポンスと高速の瞬発力を備えている。デジタル的な歪みが感じられず、ニュートラルで位相の整った音調だ。なお最上位のPlatinumはシリーズ6のままなので、この中には入っていない。

デジタルケーブルのラインアップ

ラインケーブルとスピーカーケーブルは、全く先に述べたとおりである。どれを取っても均一なレスポンスとハイスピードな立ち上がりを持ち、くせや誇張がまるで感じられない。位相が揃ってピントがよく、空間が自然に広がっている。

ベーシックなSolsticeやOasisでは輪郭の明瞭さが際立ち、ピアノやバロックでもにじみがない。オーケストラもくっきりとしている。それがEquinoxなど中級モデルになると輪郭の内側に肉付きが加わり、ピアノの骨格やオーケストラの厚みがいっそう豊かに描かれる。ボーカルの表情やジャズの低音もリアリティを増す。

ジャンパーケーブルは「Platinum Eclipse7」「Gold Eclipse7」「Silver Eclipse7」「Eclipse7」「Equinox7」「Oasis7」の6種類がラインアップ。端子はSpadeとBanana仕様の選択可

Silver Eclipse以上のハイエンドモデルは、これらに緻密なディテールが加わって生々しさが向上する。質感の細かさや余韻の広がり、潤いが違うのだ。その最上級の音は、実に完成されたリアリズムの極致といっていい。

【評論家が語るワイヤーワールド シリーズ7の魅力】
福田雅光

■極めて高い解像度とコントラストが魅力

フルモデルチェンジされたワイヤーワールド。旧DNAヘリックス構造は継承されているが、絶縁体にコンポジレックス2という新素材の採用が特徴になっている。

とても全数は把握できていないが、幾つかの印象的な製品を紹介する。ラインケーブルではXLRケーブルの「ゴールド・エクリプス7」。多少明るい傾向だが、輪郭をはっきり表現して締まりを効かせ高速レスポンス系でSN比が高く写実基調の性能が魅力だ。次いで、「プラチナム・エクリップス7」のXLRタイプ。これは解像度が高くダンピングの効いた力強く骨組みを厚くしっかり構成するためジャズ系を主体に魅力を発揮するだろう。

スピーカーケーブルでは「ゴールド・エクリプス7」。透明度が高く分解力、コントラストがしっかりしてレスポンスに優れた特徴がある。最高峰の「プラチナム・エクリプス7」は、高解像度基調で克明に表現、低域は引き締まりコントラストが高い。いずれも24時間以上接続していると、さらに純度を高め真価を高める。


林 正儀

■ベーシッククラスからクオリティアップが目覚ましい

創業20年に相応しい、本アワードの受賞である。これまでのシリーズ6から、全製品をシリーズ7へと切り替えたワイヤーワールドが目指すのは、さらなる先端のパフォーマンスであろう。

シリーズ6で既にDNAヘリックス構造(並行配列)は完成の域にあったが、新しいシリーズ7ではさらに絶縁精度を高めるべく新素材を採用したことが注目だ。第2世代のコンポジレックス2で、テフロンをも凌駕する深いS/Nとスピード感を獲得している。

スピーカーケーブルにライン、デジタルケーブルの主な製品を試聴したが、「オアシス」「エクイノックス」などのベーシッククラスから目覚ましいクオリティアップぶりに驚かされる。上位の「シルバー」や「ゴールド」。そしてさらにフラッグシップの「プラチナム」の研ぎ澄まされた表現力と完成度は見事というしかない。電源ケーブルなども順次切り変わる予定だ。


小林 貢

■従来以上にアキュレートな再生音を実現

高性能ケーブルで知られるワイヤーワールドが創業20年を迎え全面的なモデルチェンジを果たしシリーズ7を発表した。同社製品は設立時から二重同軸構造を採っていたが、設立13年目にこれを廃止、DNA(Delineated Neutralizing Array)構造に変更した。同構造は導体を横一列に配置し絶縁した平坦な芯線をホット/コールド数層に重ねた後に全体を螺旋状に捻って丸型にしている。二重同軸構造は直線状では問題ないが屈曲部では導体の長さに違いが現れ、伝送が不正確になるためDNA構造に変更した。DNA構造では全導体が同一方向へ曲がり長さに変化が現れない。

このシリーズ7も同方式を継承したうえ、絶縁体が変更され、前シリーズは独自開発のテフロンを含む複合材のComposilex絶縁体であったが今回は第二世代のComposilex2となり大幅な性能向上を果たした。今回の改良により従来以上にSN比、情報量が高まりアキュレートな再生音を実現している。

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE