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JVC「HA-XM30X」レビュー − 個性的に見えて実はオールマイティーな「重低音」ヘッドホン

公開日 2013/07/19 14:00 取材・執筆/高橋 敦
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先行発売されていたアメリカからの逆輸入モデルとして昨夏に日本にも投入された、「重低音&タフ」コンセプトのヘッドホン/イヤホン「XX(XTREME XPLOSIVES)」シリーズ。この夏その新モデルとして一挙にヘッドホン×3モデル+イヤホン×2モデルが登場。5モデルとも新たに設計されたネオジウムドライバーを搭載する。

HA-XM30Xはシリーズ歴代最大となる57mm大口径ドライバーを搭載。DJユースも想定し、ハウジング部を回転させて片耳モニタースタイルでの利用も可能。もちろん一般のリスニングユースにおいてもシリーズのトップエンドとしての存在感を発揮する。

HA-XM30X


大口径ドライバーと共に「重低音」の鍵となっているのは、シリーズ共通の「エクストリームディープバスポート」。ハウジングの背圧を調整するポート(空気孔)を設けることで大口径ドライバーの性能をフルに引き出し、重低音再生能力を高めている。

ハウジング部は回転可能。片耳モニタースタイルでの利用もできる

「タフ」の要素としては、イヤーカップに装備した対衝撃性の高いエラストマー素材のタフラバープロテクター。こちらもシリーズ共通の意匠だ。物理的なタフさとルックスのタフさをがっつりと高めている。ステンレス製ヘッドバンドとそれを覆うラバー製ヘッドパッドの精悍&ゴツい組み合わせ、そして鮮やかに赤く敢えて太めのケーブルも、ルックスの印象を強めている。

耐衝撃性の高いエラストマー素材のタフラバープロテクターを採用。物理的にも見た目的にもタフさを高めている

ヘッドバンドには「XX」のロゴ入り

Daft Punk「Give Life Back to Music」のディープなベースの再現性にいきなり納得させられる。まさにディープ。ベースを音像を緩く横に広げることはせず、音像を引き締めたまま縦にぐんと沈ませる。低音のボリューム感をただ稼いだだけではない、良質な重低音だ。またフレーズの中で音程が上下しても音の輪郭や厚みがふらつかずに安定しており、おかげでグルーブも安定している。この曲ではギターのカッティングも重要だがそちらも文句なし。パキッと硬質で抜けの良い音色を再現。リズムのキレを含めて細かなグルーブがよく伝わってくる。

ボーカルは宇多田ヒカルさんの「Flavor Of Life - Ballad Version -」でチェック。声の質感や掠れを少し強めに出し、肉声感というよりは「オンマイクの生々しさ」を感じさせるタッチだ。声の低音部分の厚みは意外と強調されず、声の感触はすっとしていて通りが良い。

ハードにゴツいルックスを着こなすも良し。良質にゴツい低音描写を楽しむも良し。個性的に見えて実はオールマイティーと言えるかもしれないヘッドホンだ。

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