山之内 正がクラシックを中心に試聴

ゼンハイザー「IE 800」レビュー − 音楽を生き生き鳴らす最上位イヤホン

山之内 正

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2013年07月05日
ゼンハイザーの「IE 800」は同社が2012年末に発売したイヤホンのフラグシップ機だ。新開発の7mm径ダイナミック型ドライバー「XWB」を搭載し、カナル内部の有害な共鳴を抑えるD2CA(Damped 2 chamber absorber)構造にも特徴がある。

ゼンハイザー「IE 800」¥OPEN(予想実売価格70,000円前後)

VGP2013 SUMMER(インナーイヤー型ヘッドホン 5万円以上10万円未満)で金賞を受賞した

フラグシップ機には複数のドライバーを内蔵する製品が多く、筐体が大きめになるのが一般的だ。一方、シングルドライバーの本機は姉妹機よりもさらにコンパクトで引き締まった筐体を採用しており、耳へのフィット感も優れている。セラミック製の筐体は固有の「鳴き」がなく、剛性の高さが音質にも寄与していることがわかる。

本体を小さく凝縮することでクオリティを高めるという志向は細部まで徹底していて、ケーブルをあえて交換式にせず、端子や接点を減らす方法を選んだのもその一つと言える。ケーブルはケブラー繊維を混入した被覆が強度と絡みにくさを実現していて、外見の質感も高い。Y字型の分岐直近で取り外しができるので、万一ピンプラグ側で断線しても簡単に交換できる。

ケブラー繊維を混入した被覆をケーブルに採用

イヤーチップは5種類が付属する。本体とイヤーチップの両方に金属製メッシュを取り付けていることが特徴で、ホコリの混入を防ぐ効果が高そうだ。いずれもかなり透過性が高いため、音質への影響はそれほど大きくなさそう。もちろんこのメッシュも含めて音質をチューニングしているはずで、いくつか試した範囲ではチップサイズの違いによる音質差は認められなかった。

イヤーチップは本体に初めから装着されているものも含め5種類が付属する

プレーヤー側の端子。プラグ部も小型でスマートなため取り回しがしやすい

ヘッドホン「HD 800」に通じる再生能力

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