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タブレットの新基準となるか

【レビュー】「iPad mini」の実力をチェック − 優れたバランス感覚のアップル新タブレット

2012/11/09 編集部:風間雄介
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「Galaxy Tab」が先鞭を付けた7インチ級のタブレットが次第にその数を増やし、市場を賑わせている。このクラスにタブレットの巨人、アップルの新モデルが参入し、ますますその競争が過熱してきた。言わずと知れた「iPad mini」だ。発売日に16GBのブラック&スレートを手に入れ、約1週間使ってみた。その使用感をレポートしていきたい。

iPad mini

…とは言え、iPad miniのレビューは既に様々なメディアに溢れている。読者の皆様の時間を無駄にしないよう、細かな部分を書き連ねる前に、結論を先に述べてしまおう。

iPad miniは、多少の欠点はあるものの、全体として素晴らしい仕上がりの製品だ。過去数年間、iPhoneの歴代モデルやiPadの第1〜第3世代機などを続けざまに購入してきたが、今回のiPad miniほど、使う前と使った後の印象の落差が大きかった製品はなかった。あまり事前の期待が大きくなかったせいもあるかもしれないが、スペックや仕様から想像していた使用感と、実際に使った感覚が大きく異なる。期待を遥かに超えた「ちょうどよさ」があり、使うほどに馴染んでいく。その仕上がりや商品力の高さに驚かされたというのが率直な感想だ。

では、iPad miniのどこがどう「ちょうどよい」のか。一つ一つ見ていこう。まずは製品のアウトラインから紹介していく。

■iPad miniは高い? 安い?

iPad miniの内蔵フラッシュメモリーは16GB/32GB/64GBの3種類。Wi-FiモデルとWi-Fi+セルラーモデルの2タイプが用意され、記事執筆時点ではWi-Fiモデルのみ販売が開始されている。Wi-Fiモデルの価格は16GBが28,800円、32GBが36,800円、64GBが44,800円。本体色はブラック&スレート、ホワイト&シルバーの2色をラインナップする。プロセッサーはA5で、これはiPad 2やiPhone 4Sと同じだ。

iPad miniの価格に対する評価は様々だ。Googleの「Nexus 7」は16GBモデルが19,800円で販売されているし、Amazon「Kindle Fire」は12,800円から用意されている。これらと比べると高いという指摘が多いようだ。これに対して、アップルはハードで利益を出す必要があるからこの値付けは妥当なのだという、本質からは少し外れていると思える反論も見かけた。まさに喧々諤々といった様相だ。

筆者個人としては、もちろん安ければ安いに越したことは無いし、iPad miniの絶対的な価格が安いかと言われたら肯定はできない。25,000円を切ったら大きく印象も異なっただろうと思う。ただしiPad miniの全体的な完成度とバリューに対して、この価格設定は妥当と感じている。

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