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IT・家電ジャーナリストの安蔵靖志が試す

【レビュー】結局「nasne」は“買い”なのか? − PS3/VAIO/タブレットで使い勝手をテスト

2012/08/31 安蔵 靖志
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起動すると、白とグレーを基調にした落ち着いたデザインの画面が表示される。上部には「home」「guide」「schedule」「tv」のメニューが並び、「guide」を選ぶとEPGが表示される。EPGのデザインはPS3版のtorneアプリと共通になっており、PS3版で録画予約すると即座にVAIO版でも反映されるようになっている。このあたりのレスポンスの速さは見事だ。

「video」を選ぶと録画番組リストが表示され、見たい番組を選択して「再生」を選ぶと視聴できる。早見再生やフラッシュ送り・戻しなど、torneアプリと同じように視聴ができ、画質も全く遜色ない。


「VAIO TV with nasne」のEPG。地デジ/BS/CS切替の際に視覚的なエフェクトも


録画コンテンツ一覧

「VAIO TV with nasne」での再生画面

「schedule」を選ぶと録画予約リストが表示され、「tv」を選ぶとnasneのチューナーを利用してリアルタイムのテレビ視聴ができる。テレビ視聴はtorne経由(PS3使用時)と比較すると1〜2秒程度の遅れがあるものの、チャンネル変更などの反応も早い。画面下に現在番組表を表示できるので、とても快適に視聴できる。

VAIOへの転送やディスク書き出しが可能

また「VAIO TV with nasne」では録画番組をVAIO内蔵HDDにダビングしたり、BDやDVDに書き出すこともできる。現状ではSony Tabletを使って番組を持ち出すことができないので、出張先などで大画面で番組を楽しみたい場合はVAIOを利用するのが最も使いやすそうだ。ダビングした番組をディスクに書き出せるため、ダビング10に対応しない有料放送などでも安心してダビングできるのがうれしい。

■VAIOが最も分かりやすくて便利 これからパソコンを買うならお薦め

筆者が普段からパソコンに慣れ親しんでいるということもあるのか、torneアプリとSony Tablet、VAIO TVの中では、VAIO TVが最も操作性が分かりやすく、迷わずに使えた。torneアプリはボタン操作が中心で、使うボタンが限られていることや、基本的にホーム画面を経由しなければ「テレビ視聴」「録画リスト」「EPG」などの各メニューに移動できないことが、BDレコーダーなどに慣れた人には少し違和感を覚えるところではないかと思う。

もちろん、一度操作に慣れてしまえばtorneアプリのレスポンスの良さは快適で、一般的な録画テレビやBDレコーダーでは考えられないほどスピーディーな画面遷移で操作できる。だがVAIO TVは「テレビチューナー内蔵パソコン」と見まがうほど、レスポンスも画質も良く感じられた。

VAIOシリーズしか対応していないのは残念だが、「VAIO Eシリーズ」の14インチモデルなら3万9800円(直販価格)から、ウルトラブック「VAIO Tシリーズ」の13インチモデルなら4万9800円(同)から購入できる。nasneを快適に使いたいからVAIOシリーズを購入するとなると“ソニーの狙い通り”という感じかもしれないが、パソコンの購入を検討していた人なら、ちょうどいいのではないだろうか。

なお、年内にはPS Vita用のアプリ「torne for PS Vita」を提供予定であることに加え、スマートフォン「Xperia」一部モデルとも対応予定など、対応機器は今後増えていく。また、「torne」がそうであったようにnasne自身もアップデートで様々な機能拡張が行われるかもしれない。

テストした視聴室のネットワーク環境が良かったということもあるのかもしれないが、レスポンスが機敏で、どの機器でもとても使いやすく感じた。以前に取材したnasne体験会でも、その機能の豊富さに魅力は感じていたが、実際に使ってみるとやはりこれは「買い」だなと、改めて感じたテストだった。

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