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VGP総合金賞受賞の実力派モデル

画質・機能を極めた新VIERA「ZT5」「WT5」を折原一也がチェック!

2012/06/18 取材・執筆/折原一也
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今期のVGP総合金賞を受賞したパナソニックの新VIERAのクオリティ、そして機能面をたっぷり解説することにしよう。解説するのは、審査員の折原一也氏だ。

2012SUMMERのVIERA新機種お目見え

パナソニックは2012年夏のフラグシップモデルとして「スマートビエラ」プラズマZT5、液晶WT5の2シリーズを投入した。両シリーズには、春モデルVT5シリーズと同様に、スマートというキーワードを体現するごとく「最速」「多機能」「超高精細映像」処理を可能とするコアデバイス「新デュアルコアPro4プロセッサー」が搭載されている。また、両シリーズにはBDや放送の圧縮された映像信号の色情報を撮影時の状態にまで戻して完全復元する技術「1080p ピュアダイレクト」も盛り込まれ、最高峰機種としてふさわしい高画質モデルとして仕上げられた。

この仕様には「元信号が持つクオリティをそのまま」に最高の画を視聴者に届けたいという思い、映像表現に対する同社開発陣の自信が現れている。このように、従来から取り組んできたプラズマ及び液晶に対するテクノロジーの研鑽・練り上げが究められ、ZT5、WT5がパナソニック史上最高画質モデルとして私たち読者に届けられた。



プラズマ最上位「ZT5」の画質コンセプトは、プラズマならではの表現力を活かし、繊細かつ艶やかな映像表現を成し遂げるということだ。『ドラゴン・タトゥーの女』で映像を確認したが、視聴したTH‐P65ZT5の画質は同社が積み上げてきたプラズマ映像技術の集大成とも言える出来映えであることが分かった。

艶やかでスクリーンにも通じる空気の感触、ディテールの一つ一つがきめ細かく再現され、改めてプラズマデバイスが持つアドバンテージを実感させられた。画面の隅々、最暗部までRGB階調がしっかりと残され、元来評価が非常に高い引き締まった黒にも磨きがかけられている。本シリーズには画質モード「シネマプロ」が搭載されているが、このモードでは各種映像補正をオフにした状態で視聴でき、従来(VT3シリーズ)の4倍相当の階調表現力を獲得している。

豊かな質感、暗部の表現力を獲得した背景には同社の技術革新の成果が反映されているのだが、これは明るさを制御する放電方法が強放電だけでなく弱放電も可能となったことによる。結果、明るさの最小単位は4分の1のレベルにまで引き下げられたのだ。明るさを調整する最小単位が選択可能となり、より丁寧な暗部階調を作り出すことができた。『ドラゴン・タトゥーの女』視聴を通じて私が感じたスクリーン調の画質は、素材の味を引き立たせるプラズマならではのポテンシャルの賜だと言えよう。


ZT5高画質技術のコアは新しいプラズマパネル

ZT5高画質テクノロジーの核として触れるべきは、2012年版新プラズマパネルだろう。新パネルの材料及び構造が一新され、発光効率がさらに向上したのだ。ZT5ではバリアブルピッチと呼ばれる方式を新たに採用。R、G、Bそれぞれを均等に配置するのではなく、Rのスペースを狭くし、その分だけGの領域を拡大する方向で設計が施されている。元来は発光効率の特性が異なる各色を、それぞれの特性に合わせてピッチサイズを合わせ込み、最大発光量が均等になるよう調整することで、各色のより正確でリニアなコントロールを可能とすることに成功した。また、パネル前面のフィルターも進化。「低反射ディープブラックフィルター III」となって外光反射が削減され、取り出し効率も向上した。結果的に明所コントラスト値は1.3倍もの水準にまで高めることができたのだ。

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