HOME > レビュー > 私はこうして楽しんだ!デノン「DNP-720SE」ユーザーレポート【第1回】

話題のモデルを読者の皆様が徹底解剖

私はこうして楽しんだ!デノン「DNP-720SE」ユーザーレポート【第1回】

公開日 2012/01/17 10:30 構成:Phile-web編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
先日Phile-webで募集しました、デノンのネットワークオーディオプレーヤー「DNP-720SE」のモニターレポート企画に大変多くの方からご応募頂きました。今回は本機の魅力を体験いただいた4名の皆様からいただいた体験レポートを、全2回のレポートに渡って掲載します。

デノンのネットワークオーディオプレーヤー「DNP-720SE」

第1回目は「神奈川県/Super7VX様」「福岡県/HiFi居士様」のレポートをご紹介します。


「DLNA/AirPlayの両方に1台で対応する魅力」
(神奈川県/Super7VX様)

本体の設置

オーディオ側の配線を終えて電源を入れると最初に行わなければならないのはネットワークの設定。WiFiか有線かの選択は、自宅のオーディオ環境がある部屋はブロードバンドの口がある部屋(NASが接続されているLANが設置してある部屋)とは別なので、WiFiを選択。DNP-720SEはWPS対応なので本来はボタンひとつで設定完了となるはずだが、別室のWiFiルーターまでボタンを押しに行くのが面倒なので、予めメモしてあるSSIDとKeyを使って手動で設定した。

手動設定といっても、DNP-720SEがアクセスポイントを検索、リストしてくれるので、SSIDを選択してKeyを入力して接続完了。一切マニュアルを見ないで設定できたのには感心。(最初は本体のキーの上下ボタンでKeyの文字列を入力していていたため手間がかかっていたが、後でリモコンのテンキーから携帯電話のように文字入力ができることに気づいた・・・やっぱりマニュアルはちゃんと読まないとですね。)

Super7VX様宅のシステムラックに設置された「DNP-720SE」(写真 左上)

リファレンススピーカーはECLIPSE「TD510」


DLNAのDMRとしてのDNP-720SE

最初はデノンのアプリ「Denon Remort App」の試用も兼ねてデジタルメディアレンダラー(DMR)として使ってみる。DENON Remort Appはデノンの対応機器を操作できるだけでなく、デジタルメディアコントローラー(DMC)としての機能も備えているため、一つのアプリから機器の操作とデジタルメディアサーバー(DMS)のライブラリからの曲の選択と再生が両方でき、都度アプリを切り替える必要が無いので非常に便利。

曲の再生もリストから選択するだけなので、設置場所がリスニングポイントから離れているなどの理由で本体のディスプレイが見難くても、手元で全てが操作できる。(ただし、ライブラリのアルバムや曲などのリストのUIに難有り。リストのスクロールが画面単位で且つ次頁への移動中に操作を受け付けなくなる時間が長くかなり待たされる。AppleのRemortアプリや他のDMCアプリのようにスムースにスクロールできて曲名などの情報を取得中にも他の画面への切り替えなどの操作ができるようにして欲しいところ。)

このアプリをiPadで使えば、リスニングルームでiPadを使ってWebサーフィンをしたり電子書籍を読んだりしながら、DNP-720SEを操作することはできるが、惜しむらくは、iPadのネイティブ表示に対応していないことで、iPadでも実行はできるが、アルバムや曲のリストの一覧性が上がったりすることはない。

ちなみに、いくつか他のiOSやAndroid端末のDMC機能をもつDLNAアプリからDNP-720SEにアクセスしてみたが、全く問題なく動作することが確認できたので、DMCアプリは自分の好みで選んでも良いかもしれない。(アプリを切り替える必要はあるが。)


DNP-720SEのサウンド

本題の出音に関しては、DNP-720SEからRCAピンのアンバランスケーブルでコントロールアンプ(マランツ「CA01」)>バランス接続>パワーアンプ(マランツ「PA01」)>スピーカー(Eclipse「TD510」)という構成。Eric Claptonの「Unplugged」やBill Evansの「Walts for Debby」のFLACファイル(CDからリッピングしたもの)を聴いてみたところ、スピーカーの間に音場が広がり、各楽器の分離もよく、変に尖ったところもない聴きやすい感じで、普段からBGMとして再生させておくのに適している印象。

前記の構成から一部変更して、DNP-720SEとコントロールアンプの間にDAコンバーター(CEC「DN53」/TOSリンク接続)を挟んでみると、先ほどと比較して音場が前に出てきた感じで、各楽器の分離もよりエッジが立った印象。Unpluggedでのアコースティックギターのスクラッチ音なども更に生々しく響いてくる。じっくり聴き込みたいときにはこちらの方が好ましいが、長時間BGM的に流すには向かないかもしれない。

このあたりはその時の気分(気合い?)で使い分けるというのも楽しみ方の一つだろう。


AirPlayデバイスとしてのDNP-720SE

前記の機器構成でそのままiPhone4のアプリをAppleのRemoteアプリに切り替えて、再生先をDNP-720ASEに切り替えれば、iTunesのライブラリをそのまま楽しむことができる。ちなみにRemoteアプリはiPadで使った場合には大きい画面に合わせたUIを表示してくれる。Denon Remort Appもこのような使い方ができるとリスニング環境が更に快適になるのだが。

「Remote」アプリによる再生画面

再生先を「DNP-720ASE」に切り替えて手軽にiTunesの音源が楽しめる


iPadにインストールした「Remote」アプリによる再生画面

再生機器の切り替えも簡単
従来、自宅ではリビングのiMacをiTunesの母艦としてApple Losslessフォーマットでライブラリの管理を行なっており、同じリビングのTVではApple TVを使ってAirPlay経由のライブラリの再生を行なっていた。(写真に写っている通り、今回は比較のためにApple TV,AVアンプ,モニタ用TVをリスニングルームに持ち込んでいる。)

リスニングルームの再生系はWiFi経由で、iTunesのホームシェアリング機能を使ってiMacのライブラリを参照している。MacBook Air>USB DAコンバーター(DA53)>アンプ>スピーカーという構成でiTunesのライブラリを再生していたのだが、再生操作のために都度Macbookのところに言って操作をしなければならないので少し面倒を感じていた。Apple TVを持ってきてつなぐにしても、ネットワークの設定にはTVが必須になる。対してDNP-720SEは本体のみでネットワークへの接続が完了できるので、既存のピュアオーディオ環境に手軽に追加できるのは大きなメリットと感じた。


インターネットラジオとしてのDNP-720SE

DNP-720SE単体での利用シーンとして期待していたインターネットラジオだが、残念ながら「マニュアルを読まない状態で使える!」というものではなかった。リストからの検索機能やキーワード検索の機能が設けられており、ジャンルや国などで絞り込みを行うこともできるが、リストをそれぞれに辿っていって、好みに合う局を見つけることはなかなか難しかった。もっとも、これはDNP-720SEの問題ではなく、インターネットラジオの仕組み自体の問題であると考えている。現状で上手に使いこなすためには、予め「vTuner」や「SHOUTcast」など、インターネットラジオ局の情報をまとめたWebサイトで下調べをしておくのが良さそうだ。


その他所感

最近流行りのハイレゾ音源などはiTunesで再生できないフォーマットもあるので、iTunesで自宅のライブラリを管理している身としては1台でDLNAとAirPlayの両方に対応している再生機は非常にありがたい。

これまではこのような環境を作るためには、頑張って高級機を導入するか、余計な回路が付いていることには目を瞑ってAVアンプを導入するかといった残念な選択になっていたが、コツコツ育ててきた既存のピュアオーディオ環境に手頃な価格で追加できるDNP-720SEは非常に有力な選択肢となる。

追記:DNP-720SEのWiFi接続が原因は不明だが何度か接続が切れてしまって再接続できなくなったり、電源投入時に接続できずにSSIDから設定し直さなければならない状態に遭遇した。同じWiFiのアクセスポイントに接続している他の機器はこのような現象は起きていないため、DNP-720SEがWiFiの電波の状態に敏感なのかもしれないが、この点の使い勝手については問題を感じた。

次ページNEXT:「DNP-720SEはネットオーディオプレーヤーの牽引機」(福岡県/HiFi居士様)のレポート

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: