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圧倒的再生力!パナソニックDIGA史上最強BDレコーダー「DMR-BZT9000」の魅力に迫る

2011/10/17
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『キング・オブ・レコーダー』BZT9000
『パイレーツ・オブ・カリビアン』夢の競演!


空気全体が鳴る音場感で高揚感を見事に表現する
DMR-BZT9000インプレッション text/ 大橋伸太郎



大橋伸太郎氏
『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』は奥行き効果主体の没入感を狙った3D作品。ロケーション撮影が多い映像だが、こうした3Dの場合、空間の奥行きが楔形に歪む傾向がよく見受けられるがそれもない。本作の最大の見どころである幻想的な月夜の人魚狩りシーンは、ボートを取り囲んで海中を泳ぎ回る人魚たちの立体感、遠近感が自然かつなめらかで、確実に引き込まれるだろう。パナソニックが3Dを製品化して2年半、その間の研究とノウハウの蓄積量に驚く。

2D作品として観た場合も、本作は今年屈指の高画質映画ソフトである。隅々まで情報量と精細感が行き渡った質感が完璧にBDに盛られている。『パイレーツ…』各作品で最もダークシーンが多いのが本作だが、階調は驚異的で暗部も透明感があり奥行きが豊か、全てのダークシーンで肌理細やかでなめらかなバランスが得られている。月明かりを浴びて揺れる波頭の煌きもコントラストが鈍らず、異様な生々しさ。破綻しやすい霧や水煙といったモチーフが頻出するが、圧縮ノイズやモスキートノイズ、偽信号といった電気的な妨害要素も完璧に抑えられ、市中の一流劇場で高品位のデジタルプロジェクションを見ている場合にまったく遜色ない。

サウンド部の飛躍は映像のそれを上回る。一口で言うと、大劇場で空気全体が鳴っているスケールと高揚感を見事に表現している。BZT900までの製品も文句の付けようのない再生音質だったが、本機はそれを軽く凌駕する。それだけのエンターテインメント性を有した稀有な製品だと言えよう。

映画作品の中には、暴力的な荒々しい音の仕掛けや観客を興奮に導く音楽効果がある。今回のBZT9000は構成部品・機構・筐体設計といったオーディオの地力の部分からシアターモード等、電気回路の設計にいたるまでやり直した結果、表現の器の大きさという点でこれまでとは次元を異にしている。

ダイナミックレンジの拡大により、ハンス・ジマーの勇壮なスコアが華麗に鳴る。楽器の数が大幅に増えて目くるめく色彩感、視聴室の四囲の壁が消え800人規模の大劇場に変わる。私たちはダビングステージやモニタールームで映画を観ているわけではない。音場表現の緻密さも凄い。クライマックスの泉のシーンで神殿がスペイン軍に破壊され石片が頭上から降り注ぐが、その高さと前後に位置していく表現が3D映像の奥行き描写と見事に一致しているのに舌を巻く。密林の鳥たちの羽ばたきなどSEも鋭利で迂闊に触れると怪我をしそうだ。

3Dに対応してからというもの、音が映像の立体表現を追いかけてきた感があったが、本機、DMR-BZT9000の出現でそれが変わる。

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