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独自技術が満載の注目モデル

B&W初のイヤホン「C5」の実力とは? 装着感から音質まで徹底レビュー

2011/09/02 高橋敦
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世界屈指のスピーカーブランドのひとつ、英B&Wは、近年はよりカジュアルなオーディオ製品に積極的だ。たとえばiPod対応スピーカーシステム「Zeppelin」シリーズであり、同社初のヘッドホンとなった「P5」である。いずれも優れたデザインと音質を兼ね備える製品だ。

その流れの上にあると考えてよいだろう、同社初となるイヤホンが登場した。今回ここで紹介する「C5」(関連ニュース)だ。

B&W「C5」

形式を括ればカナル型ということになるが、見ての通りデザインも個性的だし、技術も独自のものが多数投入されている。挑戦的なイヤホンと言ってよいだろう。

C5のパッケージ

パッケージも非常に美しくデザインされている

■拡散器として働く「マイクロ多孔質フィルター」

まずは筐体の外側(耳に入れる側の反対側)に注目してほしい。竹を斜めに割ったようなその断面に、非常にきめ細かなフィルターで蓋がされている。

その蓋の部分こそが本機の特徴のひとつ、「マイクロ多孔質フィルター」だ。

微小な金属球を集合させた「マイクロ多孔質フィルター」を装備

一見するとただの細かいメッシュに見えるが、実は微小な金属球を集合させたものである。これがドライバー背面に放出される音に対してのディフューザー=拡散器として働く。

ドライバー背面から放出される音をどのように処理するかは、イヤホンやヘッドホンにおいては大きな課題だ。

例えばヘッドホンでは、密閉型と開放型に、この問題に対する両極端なアプローチを見ることができる。前者には例えば濃密な中低域、後者には例えばまさに開放的な空間性といった、それぞれの長所、短所がある。

本機が採ったアプローチは、半開放型に近いと言える。実際に耳を寄せて聴いてみると、マイクロ多孔質フィルターを通して、再生音が外に放出されていることを確認できる。その音の放出の具合を繊細に調整しているのがマイクロ多孔質フィルターだということだろう。音質面においては確かに効果を期待できそうである。

一方でこの機構は、音漏れが少し目立つということにもつながる。通勤通学の電車内などでの利用を考えると、気になるところだ。

なお音漏れは若干あるが、遮音性の方は上々だ。遮音性が高ければボリュームをやたらと上げないですむので、結果として音漏れも少なくなるし、耳にも優しい。使用時にはそのことも意識するとよいだろう。

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