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ラインナップの充実度、3G時の再生安定性もチェック

月定額で100万曲が聴き放題!− auの「LISMO unlimited」はどこまで使えるか?

2011/07/14 編集部:杉浦 みな子
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音質は? ストリーミング再生の使い心地は?

結論から言えば、やはり冒頭で述べたとおり、スマホ向けのストリーミング方式を採用したことの、メリット・デメリットが混在している印象だ。

前述の通り、楽曲のコーデックは全てMP3でビットレートは128kbps。記者はIS03でしか本サービスを使っていないが、音質自体は聴き苦しいということはなく、素直に曲を楽しめる。


楽曲再生中のGUI
本サービスでは、ストリーミング再生がどれほどスムーズに行えるか、途切れなく再生出来るかという点も大きなポイントと思われる。これについてもかんたんにテストしてみた。

実際に試すと、楽曲再生はWi-Fi接続では安定するのに対して、3G回線では環境によって、たまに途切れることがある。特に、端末がWi-Fi検索を開始したときに途切れやすくなるようで、Wi-Fi自動検索機能をONにしている場合は一定時間おきに再生停止することがある。またIS03の場合は、1x回線接続中は未接続として認識される場合が多い。最初Wi-Fi接続時に楽曲を再生していて、途中で場所を移動して3G回線に切り替わったりした場合なども再生が止まってしまう。

なお、電波状況の表示本数との関係については、少ないときの方が読み込みに時間が掛かることはあるが、再生の可/不可にはそれほど関係無いという印象だ。0本表示のときでも、圏外表示でなければ読み込み/再生が行える場合もあるし、4本全て立っているにも関わらず、パケットが流れず再生できない場合もある。

なお本サービスでは、一度聴いた曲は端末のSDカードにキャッシュが残り、2回目からは地下鉄など電波の通じない場所でも再生可能となる。キャッシュできる曲数は外部メモリの容量によって異なり、上限を超えた場合は、新しい曲がキャッシュされるたびに古い曲から削除されていく。だが多少の不具合はあって、1〜2回最初から最後まで聴いた曲なのに、なぜかキャッシュに残っていないということが時々生じる。また頻繁ではないが、楽曲再生中に勝手にサービスがログアウトしてしまうこともたまにある。


キャッシュする曲数の上限は設定画面から選択できる。システム的には100/200/500/1,000曲から選べる仕様で、SDカードの容量/残量によって上限数が異なる。記者は16GBのSDカードを挿入しているが、上限は200曲だった

macからSDカード内のキャッシュを確認。「.kma」というファイルが保存されている
上記の通り、フォーマットが圧縮音源であることや、通信環境によって再生停止することもあるので、音質にこだわって一曲一曲を聴き込みたいというスタイルには、本サービスはあまりそぐわない。ただ、スマートフォンで音楽を聴く環境というのは、ほとんどが道を歩いているときなど外出時や移動時だろうから、そういう「ながら聴き」や、ちょっと時間が空いたときに「気になっていたあの曲探して聴いてみようかな」といった使い方なら、それなりに楽しめる。

何より、クラウド型であるために、SDカードの容量を気にせずたくさんの音楽をサーバー上に保存しておけるというのは気楽だし、普段持ち歩いているスマホで気になっている曲をパパッと検索してすぐに聴けるというのは非常に便利だ。問題なく電波が通じている場所であれば、楽曲を選んでから再生開始までに掛かる時間はおおむね10〜20秒程度で、大してストレスも感じない。

また、本サービスはTwitterやfacebookとも連携可能で、各SNSのIDでログインしておけば聴いている曲を投稿することができるほか、「LISMO!」が提供している音楽SNS「うたとも」に再生中の曲のレビューを投稿することもできる。


TwitterやFacebookなどと連携。再生中の曲を投稿できる

LISMO!の独自SNS「うたとも」に再生中の曲のレビューを投稿することもできる

その他・雑感

本サービスには、着メロ・着うた配信などでよくある「アルファベット順のアーティスト名/曲名一覧」画面などは用意されていない。どういった曲がラインナップされているかは、実際に使用して検索を行ってみるまでわからない。

だから一番最初に音楽を聴き始めるときは、能動的に検索を行うか、先述のLISMO側が用意したプレイリストを取っかかりとして聴いていくかたちになる。なお、再生中に画面右上の「i」マークをタップするとアルバム情報が表示され、そこから同一アーティストの別のアルバム一覧を表示させることもできる。


再生中に右上の「i」マークをタップすると…

再生中の曲が収録されたアルバム情報を表示できる。さらに「このアーティストのアルバム」をタップすれば、同一アーティストのアルバム一覧を表示できる
だがYouTubeにあるような、複数アーティストをひもづける「関連動画」といった機能は今のところは無く、1曲から連鎖して次々に曲を再生していくような楽曲間の誘導は、プレイリストの括りだけだ。このあたりは今後の改善を望みたい。

また記者個人の印象としては、100万曲という一見多そうな曲数にも、正直に言うと物足りなさを感じるのも事実である。例えばKORNやSLIPKNOTといったメジャーなアーティストの曲でも、一部しか入っていなかったりする。これはレーベルとの提携状況などで楽曲配信が難しいものもあるのだろうし、現在拡充を図っている最中だろうから、サービス開始一月しか経っていない時点では仕方ないかもしれないが。なお、音楽版「Qriocity」は、サービス開始時点の楽曲数が約600万曲だという。

ただ本サービスのラインナップは、70〜80年代のROCK/POPS層が充実している印象があるので、ユーザーの好みによってラインナップの満足感も異なってくるだろう。しかし「洋楽を充実させた」と謳うサービスである以上、ユーザーとしては自分の聴きたいアーティストの楽曲が少ないとガッカリしてしまう。楽曲数は100万曲から順次増えていくということなので、さらなる拡充に期待したいところである。

LISMO unlimitedは現在、新規登録時に最大2週間の利用料が無料になるキャンペーンも行っている。auスマホユーザーの方は試しに2週間楽しんでみてはいかがだろうか。

PC公式サイトでは、Twitter&Facebookと連携し、様々なテーマでユーザー参加型のプレイリストが作られている

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