曲げ自在の“フレキシブルイヤーフック”を採用

安定した装着感と満足の高音質 − ビクターのスポーツ用イヤホン「HA-EBX86」を試す

編集部:山本敦
2011年07月13日
ビクター・JVCから新しいスポーツ用イヤホン「HA-EBX86」が8月上旬に発売される。様々なブランドからスポーツ用イヤホンが発売され賑わういま、本機はどんな特徴を持っているのか。サウンドや使い勝手を色々と検証してみた。

フレキシブルに装着できるスポーツ用イヤホン

スポーツをしながら同時に音楽を聴くとき、スポーツ用イヤホンを使わなければならないという決まりはない。だが一方で、スポーツ用イヤホンは装着感や音質で「スポーツしながら」の快適性にこだわってつくられているので、一度使ってみると「やっぱりスポーツ用の方がベターだね」と納得させられる。では、自分にぴったりのスポーツ用イヤホンを選ぶ上で、どんなポイントに着目すると良いのだろうか。


ビクターのスポーツ用イヤホン「HA-EBX86」/¥OPEN(予想実売価格2,500円前後)
まず装着スタイルにはどんな違いがあるのだろうか。ビクターの「HA-EBX86」は、かけ心地の良さにこだわった“フレキシブルイヤーフック”を採用した、いわゆる「耳かけタイプ」のイヤホンだ。イヤホンを装着した際に安定感が高まるので、イヤーフック付きのスポーツ用イヤホンは最もポピュラーなタイプのひとつ。ほかにはイヤホン部とネックバンドを一体化した「ネックバンドタイプ」もあり、これは首の後ろ側にバンドを回して装着できるので安定性が高い。そのほか通常のイヤホンと同じように、耳元のイヤホン部からストレートにケーブルを下ろして装着するカナル型、インナーイヤー型のモデルも多くある。


曲げ自在の“フレキシブルイヤーフック”を採用した
装着スタイルと同時に、イヤホン自体のノイズ対策に関する工夫についてもチェックしておきたい。特にジョギングなど、体を大きく動かすスポーツを楽しみながら音楽を聴いていると、スポーツウェアとイヤホンのケーブルが擦れ合う時に発生するタッチノイズが飛び込んできて、集中力を削がれてしまうことがある。スポーツ用イヤホンの中には、ケーブルやネックバンドにノイズの遮蔽性の高い素材を採用したり、ケーブルとウェアになるべく擦れ合わないよう、イヤホン部に角度を設けてケーブルを垂らせたり、ビクター「HA-EBX86」のようにケーブルをウェアに留めておくためのクリップを付属するなど、ノイズ対策に気配りを凝らした製品もある。


ループ掛けして装着。ホールド感は抜群だ
ビクターの「HA-EBX86」はケーブルの外皮に柔らかめの素材を使っており、ケーブル自体も柔軟性が高い。ジョギングしながら音楽を聴いてみたが、タッチノイズが気になることはほとんど無く、心地よく音楽が楽しめた。クリップを使ってウェアとケーブルが極力触れあわないよう、自分でアレンジできる点も良い。ケーブルの長さは1.2mあるので、ズボンの後ろ側のポケットにプレーヤーを入れた状態でも、ケーブルがピンと突っ張ってしまうことはなかった。


L字型のステレオミニプラグを採用

付属のクリップでケーブルのぶらつきが抑えられる
やわらかなゴム系素材をベースにした“フレキシブルイヤーフック”は、装着感がよいだけでなく、体を激しく動かしても、イヤホンが耳から外れない安定感の高さも好印象だ。

スポーツをしていると、特に夏場は汗をかく。大量の水分がイヤホンに着いてしまうと故障の原因にもなりがちなので、快適な音楽リスニングを楽しむためにも、イヤホンの防水性能には気を配っておきたい。本機の防滴性能は保護等級IPX2(防滴型)をサポートしているので、汗や水しぶきが気になるスポーツをしながらでも安心して使うことができる。

本機はカラーバリエーションにレッド/ブルー/ブラック/ホワイトの4色を揃えている。今回はレッドを借りてテストを行った。実機を手に取ってみると、イヤホンのハウジングの内側、ケーブルからL字型のプラグ部までがレッドで統一されている。赤色は派手過ぎず、落ち着いた深みのある紅色だ。ハウジング外装のパーツはシルバー。トップにはJVCのロゴがプリントされている。イヤーピースとイヤーフック、付属のクリップはブラック。全体をシンプルにまとめたカラーリングは様々なスポーツウェアとの着こなしが楽しめそうだ。


スポーツの躍動感を高めてくれるクリアなサウンド

本機は10mmのネオジウムドライバーユニットを搭載し、コンパクトながら高音質を実現しているという。実際にサウンドを確かめてみた。


イヤホンはカナル型。高い遮音効果が得られるので、スポーツしながら音楽を聴く際には周囲の安全に気を配りながら使いたい
はじめに静かな室内で、スポーツはせずに座して聴く。『kuniko plays reich』(加藤訓子)より、3曲目の「Electric Counterpoint Version for Percussions - Movement III: Fast」は、マリンバの音の粒立ちがとても鮮やか。様々な打楽器の音が重なり合いながら多層のレイヤーを形成していくパートでは、見通しが良くキリッとした立体感のある演奏を楽しめた。低域はやや薄めに感じられるが、かえってひんやりと透明感に満ちた空気感のある音楽に仕上げられていて、これはこれで、本機の持ち味として好印象だった。

次に『fo:rest』(Ann Sally)から2曲目の「あたらしい朝」を、静かな室内で座りながらの状態と、ジョギングしながらの2パターンで聴いてみた。どちらのリスニング環境でも見晴らし良いサウンドが味わえた。ボーカルは肉付きがしっかりとしていて聴き応えがある。ちなみに、この曲のアンサンブルに加わっているスリーフィンガー奏法のアコギの音色は、高域がとてもキレイに響いていて気持ちが良い。この曲を聴いている間はジョギングの疲れが癒され、心地よい疾走感だけが高まったような不思議な感覚が得られた。


本機は実売2,500円前後での販売が予想され、価格の面でも気軽に良質なサウンドが楽しめる。今までスポーツしながら音楽を聴く習慣はなかったけれど、昨今のスポーツ用イヤホン人気の高まりに乗じてチャレンジしてみようという方にオススメできるモデルだ。“フレキシブルイヤーフック”の効果により、割と体を激しく動かすタイプのスポーツをしながらでも、安心して身につけられる点も心強い。ボリュームコントローラー付きのモデルや、ネックバンドタイプの商品化にも期待したいところだ。


【製品に関する問い合わせ先】
JVCケンウッドカスタマーサポートセンター
TEL/0120-2727-87

【SPEC】●出力音圧レベル:102dB/1mW ●再生周波数帯域:10Hz〜23kHz ●インピーダンス:16Ω ●コード:1.2m Y型 ●プラグ:3.5mm 24金メッキ L型ステレオミニ ●質量:約9.5g ●付属品:イヤーピース S/M/L、クリップ