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導入手順を易しく解説

古いiPodが生まれ変わる! FLAC再生も可能にする「Rockbox」とは?(前編)

公開日 2011/05/10 10:50 海上忍
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■Rockboxを導入するまえに

Rockboxをインストールするまえに、Roxboxの機能の概要と導入に際しての注意点を解説しておこう。

非公認のファームウェアを自己責任のもと導入する作業となるため、自分のiPodが対象機種かどうかなどのチェックはもちろん、そのiPodが万一回復不能になっても惜しくはないのか、冒すリスク以上のメリットが得られるのか、慎重に検討したうえで実際の作業に臨んでほしい。

・対象機種の確認

RockboxがサポートするiPodは、第1世代(1G)から5.5GまでのiPodと、iPod mini、iPod nano(1G〜2G)だ。

それらのiPodには、MP3やAACのリアルタイムデコードや、TFT/STN液晶コントローラ、NTSC/PALのテレビ出力など一種のSoCとしての機能を持つ、32 bitARM7コアを2基載せたPortalPlayer社製デュアルコアCPUが採用されている。仕様の多くは非公開だが、Samsung製CPUに代わられた第6世代以降とは互換性がないため、現行バージョンのRockboxは表2に挙げたiPodにしかインストールできない。

表2:Rockbox(v3.8.1)がサポートするiPod
モデル 世代 発売開始 搭載されたCPU 備考
iPod 第1世代 2001年11月 PP5002 B/W液晶、機械式スクロールホイール
第2世代 2002年7月 PP5002 B/W液晶、タッチセンサー式ホイール
第3世代 2003年4月 PP5002 Dockコネクタ
第4世代 2005年7月 PP5020 クリックホイール。iPod Photo含む
第5世代 2005年10月 PP5021 別名iPod Video。QVGAカラー液晶
第5.5世代 2006年9月 PP5021と同等 5Gのマイナーチェンジ版  
iPod mini 第1世代 2004年1月 PP5020 4GBモデルのみ
第2世代 2005年2月 PP5022 4GBと6GBの2種類
iPod nano 第1世代 2005年9月 PP5021 カラー液晶
第2世代 2006年9月 Samsung ARM CPUは337S3291-8701


・リスクの確認

RockboxにはWindows/Mac用のインストーラが用意されているため、導入の難易度はそれほど高くない。しかし、失敗するとiPodとしての機能は失われてしまい、外付けHDDとしてすら利用できなくなってしまう。

Appleは、iTunes経由で適用するという正規のファームウェアアップデート以外、iPodを保証対象外として扱うものと考えられるため、ファームウェアが破損したiPodは廃棄処分にせざるを得ない。このリスクをじゅうぶん認識したうえで、自己責任のもと作業に臨んでほしい。

・フォーマット種の確認

iPodに内蔵のディスクは、母艦にMacを利用するときはHFS Plus、Windowsを利用するときはFAT 32でフォーマットされている。Rockboxは、FAT 32でフォーマットされたディスクのみを対象とするため、Mac用に初期化されたiPodは、そのままでは使用できない。いちどWindows版iTunesでFAT 32に初期化しなおしたうえで、Rockboxのインストールに臨もう。

Mac OS X向けに出荷されたiPodはHFS Plusでフォーマットされているため、事前にWindows版iTunesで初期化しておく必要がある

iTunesの画面に、このような情報が表示されれば準備完了。あとはWindows/Mac OS Xどちらを利用してもRockboxをインストールできる

なお、FAT 32でフォーマットしても、転送速度の違いなど若干の機能差を除けば、Mac OS X版iTunesで支障なく利用できる。Windows版iTunesを使わずにフォーマットする方法もあるが(参考)、UNIXコマンドを使うなど難易度が高くお勧めできない。作業自体は数秒で終わるため、Windows版iTunesが手元にない場合は、知人のWindowsユーザーに依頼した方がいいだろう。

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