HOME > レビュー > TDK Life on Recordのカナル型イヤホン「TH-EB900」を高橋敦氏が聴く

ブランド初のイヤホンが登場

TDK Life on Recordのカナル型イヤホン「TH-EB900」を高橋敦氏が聴く

2009/12/07 高橋敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
イメーションが取り扱う「TDK Life on Record」から、ブランド初のカナル型イヤホン「TH-EB900」がいよいよ12月10日に発売される。今回は新製品の実力をライターの高橋敦氏がいち早くご紹介する。


TH-EB900
独自のサウンドチューニングを施したプレミアムなイヤホン

イメーションから「TDK Life on Record」ブランドのカナル型イヤホン「TH-EB900」が発売される。ブランド初のイヤホン製品ながら“プレミアムクラス”をうたった製品であり、実売価格が6,000円前後という、比較的手の届きやすい高音質モデルとしての位置付けと理解してよいだろう。


8.5mm口径のドライバーを搭載

本体背面に設けられたポート部
高性能ドライバーユニットを軸に独自のサウンドチューニングを施すことで高音質を実現しているという。特別な素材や構造については明記されていないので、基本的なチューニングの積み重ねが主だろう。本体背面に見えるメッシュでカバーされたポートもその一環と思われる。

他にもうれしい点として、コンプライのイヤーピースが標準で付属する。コンプライ製品はカナル型イヤホンの交換用イヤーピースとして定評がある。低反発ポリウレタンのフィット力で装着感と遮音性を高めてくれる。イヤホン本体が軽量なこともあり、総合的な装着感も良好だ。そしてまたまた細かなところでうれしいのはケーブル。布編み被服が採用されており、絡みにくいし見栄えも触り心地も良い。


コンプライのイヤーピースのほか、S/M/Lサイズのシリコンイヤーピースが付いてくる

ケーブルはからみにくい布編み被服としている
音は中低域、タムやバスドラム、ベースなどの抜けっぷりの良さがまず印象的だ。重量感はほどほどだが太さは十分。特にウッドベースの空気感、胴が響く感触は見事と言える。

アコギも好描写だ。アタックの弾け具合が良いし、こちらもやはり胴の響きが豊か。シンバルは精密という感じではないのだが、しかし音楽的なニュアンスは豊富だ。ボーカルは矢野顕子の作品を中心に聴いたが、ふわりふにゃりとした独特の歌い回し、抑揚、柔らかさはいかにも矢野顕子的であり、的確な表現がされている。

音色は全体的に暖かみを感じさせるタイプ。音源によっては硬質感や鋭さを薄めてしまうこともあるが、しかしまた別の曲を聴いてみると優しさを引き出してくれもする。万人に万能なイヤホンなどありはしないので、適度な個性は歓迎だ。音、装着感、ケーブルの扱いやすさと、使っていて心地よい製品。価格的にもあまり気を張らずにすむし、普段使いにちょうどよいのではないだろうか。

専用ソフト収納ケースが付属する

高橋敦・プロフィール
パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。


<TH-EB900のスペック>
●形式:ダイナミック型 ●ドライバー口径:8.5mm ●再生周波数帯域:20〜20,000Hz ●音圧感度:104dB/mW ●入力インピーダンス:16Ω ●コード長:1.2m ●質量:約10g ●問い合わせ先:イメーション お客様相談室 TEL/0120-81-0544

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: