世界初3D対応BDレコーダーとしてDMR-BWT3000が早くもリプレースされた。 他に先駆けて第2世代機を登場させただけあり、 3D分野のトップランナーらしい余裕がうかがえる。 ネットワーク関連機能強化、画音質の向上など 新製品の進化ポイントを解説しよう。 取材・執筆:貝山知弘

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DIGAが目指す「原画に忠実な録画・再生」という思想は、最新モデルDMR-BWT3100にいたってさらに進化した。オリジナル映像の美しさ(精細感、鮮やかな色彩など)を忠実に引き出すことである。注意すべきは、部分的な映像のエンファシス(強調)などは、かえって映像の品位を落とすことがあるということだ。パナソニックの強みは映画の本拠地ハリウッドに研究所を持っていること。技術者はここで画質・音質の改善効果が正しいかどうかを原画と比較検討できる。そこから得られるのは原画のバランスを崩さぬ画質・音質の向上である。

Panasonic HDD搭載ハイビジョンブルーレイディスクレコーダー
DMR-BWT3100 オープン価格
【DMR-BWT3100 SPEC】 ●HDD容量:2TB ●内蔵チューナー:地上・BS・110度CSデジタル×2、地上アナログ×1 ●主な映像入出力端子:HDMI出力×2、D4出力×1、S入力×2、同出力×1、コンポジット入力×2、同出力×1 ●外形寸法・質量:430W×68H×249Dmm(突起部含む)・約4.2kg

 

世代ごとに技術改善を加えているDIGAでは、新たに開発した技術とともに成長を続けていく。今回紹介するDMR-BWT3100で新たに加わったのは例えば3層ブルーレイディスク(BDXL)への対応。地デジのDRモードなら12時間、BSデジタルなら8時間40分。そして最長で約108時間ものフルハイビジョンクオリティ長時間録画が可能となった。録画系では全モードで音声2ストリーム/字幕データ記録への対応を実現。ハイビジョンで放送される番組で(地デジ/WOWOW/スターチャンネル/スカパー! HDなど)1080/24p出力が可能になったことが挙げられる。その他、前作までに開発された技術の見直しやアップグレードが行なわれた箇所はかなりの数に上る。代表的なものを取り上げると録画系ではAVCエンコーダーでシーン適応符号化が改善され、全録画モードで解像感を保ちつつノイズを抑えることに成功している。動きが少ない場面では周波数特性を延ばして解像度を上げると共にモスキートノイズを低減し、動きの大きなシーンでは解像度の低減を防ぎながらブロックノイズの低減に務めているのだ。

 

定評あるDIGAの高画質回路「リアルクロマプロセッサ」も大きく進化した。従来は色信号の周波数特性を高域に広げることで細部の色乗りをよくしていたが、今回はそれと同時に超高域の色信号の波形の再現性を重視するという改善が行われた。これは色信号の高域を広げると折り返し成分により波形が歪む場合があるからだ。新モデルではこの歪みがほとんどなくなり緻密さとクリアさが両立したカラー映像が得られるようになった。

 

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アニメ番組に特化したマニアックな機能「アニメモード」も進化し、新たに「原画解像度変換機能」が追加された。これは720p/480p/480i解像度で作られた原画を1080iにアップコンバートして放送したハイビジョン番組で有効な機能。再生時に原画の解像度に戻し再びアップコンバートする手法だ。高精度のプログレッシブ処理によりインターレース妨害とコーミングノイズを大幅に低減することに成功している。

 

機能の進化は目を見張るほど多い。主なものだけを取り上げても(1) 著作権保護されたコンテンツのBD-RE、BD-R(ファイナライズしていないもの)→HDDへのムーブバックへの対応 (2)ネットダビング機能の拡張、がある。また、これまではサーバーとしてのみ使えたDLNA機能も今回新たにクライアントにも対応。さらに、DLNA機能を拡張して自動録画と追っかけ再生を行うことにより、DIGA内蔵チューナーからの宅内配信も可能となった。

 

音質面にも触れておこう。春モデルでは、真空管サウンドやリ.マスターの演算結果の32bit信号をいったん24bitにして32bitDACに伝送していたが、新モデルでは32bitのままDACに送り込み解像度をフル活用している。これにより、さらにリアルなサウンドが得られるようになった。HDMI出力を2つ設け映像回線と音声回線を分けた効用は「低クロックジッターシステム」との融和で更なる高音質の基となっている。この方式には3D再生に未対応のAVアンプでも使用できるという利点がある。さらにパーツの進化もある。電源系とアナログ系のコンデンサーのリード線にOFC(無酸素銅)を採用したことも緻密な表現の実現に役立っている。画質や音質はこうした細かい技術の積み重ねのトータルで大きな向上を実現しているのだ。3D DIGAとしての機能は基本的には前作同様だが、新たに加わったのが3Dムービーとの連携機能、ダブル12.5倍録画+同時3D再生/ダビング機能などだ。これらは楽しみを増やすために必須といっていい機能だ。

 

CLOSE UP!
地デジやBS、110度CS放送の番組情報を最大1カ月先まで取得できる
32bitD/Aコンバーターや端子部の金メッキ化により、高音質を実現する

 

進化をやめないDIGA、DMR-BWT3100。自宅試聴室のレファレンスの一台として既にフル稼働中だ。画・音質その他の性能には、大変満足している。

 

 パナソニック DIGA製品情報ページ:http://panasonic.jp/diga/

 

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